東京五輪女子バスケ主将・高田真希が語る“快進撃”の理由 空手の経験もプラスに(小林信也)

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リオ五輪で戦術変更

「フルコンタクトの空手をやっていたので、バスケットで相手と当たることにも抵抗がありませんでした」

 高田が相手選手とマッチアップする時の間合いや当たり方は、他の選手にない技術と感覚があるという。

「どんな時でも芯をぶらさない。受け身になるのでなく、常に先に仕掛ける。空手で身に付けたことが今でも役に立っています」

 東京五輪で「金メダルを獲る」と高田ら選手たちが公言しても周囲は本気にしてくれなかった。だが高田は本気だった。

「現実に獲れると思い始めたのは、リオ五輪の時からです。準々決勝でアメリカに負けたけど、確かな手応えがあった。それまでの日本代表は、苦手とわかっていながら相手のゴール下にボールを持ち込んで、大きな相手にもまれながら何とかシュートを狙う戦術を繰り返していました。リオ五輪ではそれをやめて、ベスト8に勝ち進めたのです」

 苦手な戦い方でなく、日本に有利な展開に持ち込む。

「コートを広く使って、運動量で勝負する。相手が疲れて動けなくなれば、後半で勝負できます」

 リオ五輪の後、ヘッドコーチに就任したトム・ホーバスはその方向性に加え、「1試合40本の3P(ポイントシュート)を打つ。成功率が40%になれば世界で勝てる」と明確な目標を定めた。

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