【本庄・5歳児遺棄事件】中心に“死を招く女”が 父と義母が行方不明、競艇選手の夫は自殺

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内縁の夫の人物像

 虐待が起きていたとみられる「黒い家」。そこに住む年長の石井容疑者について、

「彼女は猫を3匹飼っていて、丹羽と一緒によく近くの動物病院に来ていました」

 とは近隣住民の談。

 丹羽容疑者は高校時代、ラグビーに打ち込み、全国大会にも出場している。色黒でがっしりした体格をしており、日ごろから白や金フレームの眼鏡を着用。“いかにも”な風貌だった。一方、石井容疑者はふくよかな体形で、すっぴんに近い薄化粧をし、茶髪。安物のTシャツやスカートを身に着けていた。二人は仕事をしている風でもなかったという。

「石井さんが動物病院に行くと、親子ほど歳が離れているのに“丹羽です”と彼の名字を名乗っていた。年上の奥さんかな、と周囲に思われていました」(同)

 そもそも、この家が石井容疑者とその家族によって借りられたのは12年前。書類上、石井と当時の夫であるAさん(当時42歳)、その母Bさん、石井の父Cさんの4人が入居する予定だった。

「でも実際にはAさん、Bさんが最初に入居し、ほどなくしてCさんも住むようになりました。しかし、10年ほど前にAさんが救急車で運ばれた末、亡くなります。Cさんは“酒の飲みすぎ”と説明していました。その後、Aさんと別居中だった妻で介護の仕事の経験がある石井さんと、丹羽さんが立て続けに入居するのです」(別の近隣住民)

 Cさんは自らを元競艇選手だと名乗っていた。

「ホントかどうかわからないけど、“1億円稼いで、女に全部使っちまった”と自慢していました。Bさんはお金持ちで(埼玉県の)川口市にすごい土地と財産があるんだとも。でもそんな人がなんでここに住んだのかねえ」(同)

 実際、Cさんという名の競艇選手は実在していたのである。

競艇選手の元夫は自殺

 さらに、石井容疑者の来歴をたどっていくと、“死”の臭いが濃密に立ち込めていることがわかる。ひとりは先述したAさん。もうひとりは最初の夫、Dさんだ。

「彼女が結婚したのは、30年以上前、19歳の時です。Dさんは9歳上の競艇選手でした」

 と打ち明けるのはDさんの知人だ。

「彼は静岡県内の高校を卒業後、一家で埼玉県所沢市に引っ越し、スイミングスクールの先生を経てボートレーサーになりました。戸田競艇場のある埼玉支部に所属し、彼の師匠となったのが、石井陽子さんの父親で同じく埼玉支部の競艇選手だったCさんです」

 Dさんは石井容疑者に惚れ込み、後に結婚。

 親交のあった競艇関係者によれば、

「Dさんは同期の中でも出世頭でした。当時の最上位であるA級に昇格し、年収も1500万円以上あったはずです。おとなしくて真面目な性格で、ぐいぐい頭角を現し、私生活では2人の娘にも恵まれました」

 一時は賞金総額が年間約2500万円を超えるほどに。しかし、いまから二十数年前、突如自殺してしまうのだ。

「ゴルフ場の木で首を吊ったという話が出回りました。亡くなる数年前から“お金に困っている”と言っていて、実際に1千万円程度を何回かに分けて貸したけど、結局返ってこなかった。陽子さんの話によれば、亡くなる前には競艇のかたわら、夜中に土木作業員のバイトまでしていたそうです。選手として稼いでいるのになぜ、と不思議に思っていました」(同)

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