【本庄・5歳児遺棄事件】中心に“死を招く女”が 父と義母が行方不明、競艇選手の夫は自殺

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「サラ金に返さないと」

 1990年代に石井夫妻が住んでいた川口市内のマンションの大家は、

「その頃に競艇選手の旦那さんが亡くなったのは事実です。先日、本庄警察署の刑事さん2人がそのことを尋ねにきました。当時の契約書を見せてほしい、と」

 Dさんの親族が悔しさを滲ませて語る。

「陽子さんは猫なで声で話す裏表のありそうな人で、当時、Dの金を使い込んでいたという話もあった。Dは金で首が回らなくなって自殺したんです。しかも、亡くなってから、何かの理由でこちらの親族と陽子さんの親族が対立して、葬儀の場では陽子さんの親族がDの母に殴りかかろうとする一幕もありました。こちらの親族はDの棺すら担がせてもらえなかった。その後、陽子さんとは縁が切れてしまいました」

 だが、先の競艇関係者はその後もしばらくは石井容疑者と交流があった。

「亡くなった後、陽子さんは時折連絡をしてきて、“サラ金に返さないととんでもないことになる”と言って、2、3万円を数回借りていきました。そこからピタッと連絡が来なくなったのです。彼女はルイ・ヴィトンの大きなバッグを持っていて、金遣いが荒い印象がありました」

地元の同級生と再婚

 ほどなくして石井容疑者が頼ったのは先述のAさんだった。彼女とAさんは川口市が地元で同級生。再婚し、市内にあったAさんの両親が住む一軒家に娘とともに転がり込むのである。Aさんの知人が言う。

「二人は同窓会で再会し、結婚したと聞いています。Aさんは初婚でした。彼のお父さんは大手企業に勤めるエリートサラリーマンでしたが、子どもはおらず、Aさんは養子でした。お父さんはAさんが結婚して彼女の2人の娘とともに引っ越してきた後に、病気で急死してしまったそうです。それからしばらくして、Aさんのお母さんがいきなり私のもとに“100万円貸してくれ”と取り乱した様子で飛び込んできたのです。上品な方だったのにと驚いて事情を聞くと、“嫁の親の商売で借金を背負い大変なの。10万円でもいいから”と狼狽していました」

 石井容疑者の母親は川口市内でスナックを経営していたという。

 また、かつてのAさん宅の近隣住民によれば、

「新しい嫁(石井容疑者)が、詐欺だか株だかに手を出して大損したともいわれています。そして、Aさんはお父さんから自宅を相続してわずか9カ月後、自宅を売却し、一家そろって行き先も告げず、夜逃げするように引っ越してしまったのです」

 それから11年後の2010年、Aさんと石井容疑者は本庄に流れ着き、それぞれの母と父とともに家賃3万9千円の「黒い家」に住み着くことになる。

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