東映・高岩元会長、お別れの会に“豪華すぎる”名優たちが 「カムカム」ゆかりの地・太秦映画村を観光名所にした功績も

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

話題作、名作をプロデュース

 堂に入った着物姿で、手には一本の花。女優・名取裕子(64)の先を見つめる目には、万感の思いが込められているようだ――。3月4日、都内のホテルで行われたのは、昨年10月に亡くなった高岩淡(たん)東映元会長(享年90)のお別れの会である。

 ***

 1954年に東映に入社した高岩氏は1971年に東映京都撮影所の所長に就任。以降、プロデューサーとして、そして経営者として数多くの話題作、名作を世に送り出した。

「柳生一族の陰謀」「宇宙からのメッセージ」「赤穂城断絶」「野菊の墓」「北の蛍」「火宅の人」「北京原人 Who are you?」「鉄道員(ぽっぽや)」「金融腐蝕列島 呪縛」――。

 なかには「怪作」もあるが、いずれもさまざまな意味で話題になった作品ばかりである。

 また、放送中のNHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の現在の舞台である「京都・条映映画村」のモデルとなった東映太秦映画村を一般公開し、観光名所とするのに貢献したのも高岩さんの功績の一つとして挙げられる。高岩さんがいなければ、ひなたのラブストーリーもずいぶんと異なる展開になっていたのかもしれない。

駆け付けた名優たち

 そんな高岩さんの最後のお別れに駆け付けたのは、日本映画の黄金時代を支えた名優たちだった。

 かつて、“歩いている人は誰もいない”といわれるほど活気と熱気に溢れていた東映の撮影現場。その現場を牽引する製作進行から“活動屋”としてのキャリアをスタートさせ、偉ぶることのなかった高岩さんを慕う名優やスタッフは数知れない。

 参列したのは約600人。里見浩太朗(85)、三田佳子(80)や北大路欣也(79)、岩下志麻(81)、富司純子(76)など、まさに名優たちのオールスターキャストである。これだけの面々が一堂に会する機会は貴重なだけに、献花を終えても会場を去らず、互いに故人との思い出話をする参列者も少なくなかった。

次ページ:「お前は企画能力はイマイチや。だけど…」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。