腸活に最適な「米のとぎ汁漬け」とは? 乳酸菌が免疫力アップに貢献

ドクター新潮 健康 食事

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 現代人が捨ててしまう「米のとぎ汁」も、江戸時代の人々にとっては「魔法の水」。アク抜きから、掃除、洗濯、洗髪にも使われていた。このとぎ汁で作った浅漬けにスーパーパワーがあるのをご存じだろうか。免疫力アップをはじめ、健康長寿に効果があるのだ。

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 年貢米が集まる江戸の町では、白米を食べられることが江戸っ子の自慢だった(地方では米の消費を控えるため、「かて飯」と呼ばれる、粟・稗・麦・豆などの雑穀や野菜、山菜、海藻類を米に混ぜた、炊き込みご飯や混ぜご飯、雑炊を食べていた)。

 当時の精米方法は、米をきねや棒でついていたため、玄米が荒く削られ、洗米時に出る「米のとぎ汁」は、現在のものよりも濃厚で、牛の乳のようだったといわれている。

 江戸時代の人々は、この米のとぎ汁で、野菜や山菜のアクを抜き、洗髪剤、洗顔料、美容液にし、掃除、洗濯、家具磨きに使い、最後は植物の肥料にと、余すところなく有効活用していた。

米本来の栄養素

 そもそも我々が米をとぐ理由は、糠(ぬか)の臭みがついたままで米を炊くと、ご飯がまずくなるからだ。せっかくの米をおいしく食べるために洗い落とすのだが、この糠にこそ、米本来の栄養が詰まっている。

・細胞の酸化による老化を防ぐ「ビタミンE」

・高血圧の予防と改善に向けて排塩効果のある「カリウム」と「マグネシウム」

・血液中のコレステロールを減らす「γ-オリザノール」や「植物ステロール」

・肌を守り、保湿力を高める「セラミド」

・ダイエットに効果の高い「ビタミンB1」

 ――といった、現代型の食事では不足しがちで、健康維持に有益な多くの成分が含まれている。「米」に「健康の康」で「糠」となり、「米」に「白米の白」で「粕」となるがごとしだ。

 この米のとぎ汁で作った浅漬けに、スーパーパワーがある。

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