韓国大統領選 大接戦の勝敗を分けるか「文在寅」の後継「李在明」の違法行為

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候補者の一本化はあるのか

 3月9日に投票が行われる韓国大統領選挙は、15日から公式の選挙運動期間に突入した。立候補者には14人が名を連ねたが、与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補と野党「国民の力」尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補の一騎打ちと言われており、その後を中道の安哲秀(アン・チョルス)候補が追いかける構図となっている。この選挙戦はまたスキャンダル暴露合戦の様相も呈しているようだ――現地在住・羽田真代氏のレポート。

 選挙活動が本格始動する数日前には、安候補から尹候補に対して“候補一本化”が提案されたが、尹候補は今のところそれに応じていない。報道を見る限り、尹候補側は安候補の提案をあまり好意的に捉えていないようで、一本化しないまま投票日を迎える公算が高まっている。

 気になる直近の支持率については9日に発表されたTV朝鮮(2月14日放送)の世論調査によれば、李候補が33.2%、尹候補が38.8%となっている。「国民の力」との合流を持ち掛けた安候補の支持率は8.4%と、5日まで二桁台であった支持率(12.1%)が一桁台へと転落した。

 他方、この調査で正確な数字は公開されなかったが、「支持候補がいない」と答えた有権者の比率が10%から15%ほどあり、彼らがどの候補者を支持するかによって結果が大きく左右されるのは間違いないだろう。

苛烈を極めるスキャンダル暴露

 これまで報じられてきた通り、今回の大統領選は“スキャンダル暴露合戦”が苛烈を極めている。李候補や尹候補の周辺人物への批判はもちろん両夫人の批判まで、メディアが彼らのスキャンダルを取り上げない日はない。

 コロナ禍もさることながら、ネット選挙先進国らしく、両候補はSNSを駆使して選挙を戦っている。李候補はSNSで自身の公約や選挙活動について発信するよりも、尹候補批判を展開する方が多い。記事などを引用する形で、尹候補の好感度低下を狙ったネガティブキャンペーンが目につく。

 もっとも、肝心の尹候補本人のスキャンダルが見つからないせいなのか、李陣営は尹候補の妻・金建希(キム・ゴンヒ)氏の経歴詐称について批判を繰り返してきた。そもそも李候補のほうは本人が女優との不倫疑惑や大庄洞疑惑(開発事業に関する汚職)、甥の殺人、息子の違法賭博など、尹候補と比較にならないほどの問題を抱えている。しかもそれでも息子の違法賭博発覚時には「大統領夫人は公的な存在、息子は他人」との見解を盾に自身を正当化するような発言を行っていた。

 ところが最近になって、その発言もブーメランとなって返ってきた。李候補の夫人である金恵景(キム・ヘギョン)氏の公金流用疑惑やパワハラ疑惑が浮上したのだ。「大統領夫人は公的な存在、息子は他人」という弁明が通用しなくなったわけで、今後どうやって説明するのか注目される。

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