韓国大統領選 大接戦の勝敗を分けるか「文在寅」の後継「李在明」の違法行為

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タバコ事件

 汚職などに比べれば些事かもしれないが、ここにきて話題になっている案件がある。李候補がまだ城南(ソンナム)市長だった2014年2月23日。彼の出版記念会の打ち上げで訪れた飲食店の店内で、彼がタバコを吸ったという疑いが持たれているのだ。

 国民健康増進法に従って、2012年12月から150㎡以上、2014年1月から100㎡以上、そして2015年1月からは面積に関係なくすべての飲食店が全面禁煙区域と定められている。

 韓国のネットユーザーが過去の記事を見て李市長の行為を不審に思い、「李在明プラス(彼とコンタクトが取れるアプリ)」で質問をしたところ、「該当の写真は2012年12月以前のものだ」と返答があったそうだ。

 しかし、李候補の喫煙姿を捕らえた写真には、2014年にリニューアルされたカスという韓国のビールが写り込んでおり、李陣営が嘘の証言をしたことが明らかになった。

 この問題に対し、野党「国民の力」の選挙対策本部報道官が今月(2月)14日に李陣営側に説明を求めたが、李陣営は「法律違反行為ではない。それに、当該空間には他の客はいなかった」「尹候補の迷惑行為を隠すために、8年前の出来事を取り上げて誤魔化そうとしている」などと述べた。

 この“迷惑行為”とは、ちょうど同じ時期に報道された尹候補による電車内迷惑行為のことを指している。尹候補が電車に乗車した際、向かいの空いている座席に靴のまま脚を乗せたというものだ。

李候補のウソが

 しかし、これはかなり難癖に近い。韓国で生活していると、電車内で尹候補のように向かいの席に靴のまま脚を上げたり、子供に外の景色を見せようと靴を履かせたまま座席に立たせたりする親の姿や、他人の予約席に勝手に文字通り居座る国民に遭遇することがままある。

 このような行為は迷惑で不愉快でモラルの問題ではあるが、それこそ法律で裁かれるほどのことではないだろう。

 しかし、飲食店での喫煙はどうだろうか。

 李候補は城南市長時代、自ら「公共の場でタバコを吸われる場合にはお気をつけください」「城南市も店内禁煙政策をしなければならない」と述べていた。にもかかわらず、市長である李候補本人が法を犯していた。しかも、国民からの問いに虚偽の証言をした。

 先ほどは些事と言ったが、どちらを支持するかを決めかねている有権者にとって、どちらが候補者にふさわしいかというよりはむしろマシかを判断するのに、なかなかの材料なのかもしれない。李候補にボディブローのように効いてくるだろうか。

羽田真代(はだ・まよ)
同志社大学卒業後、日本企業にて4年間勤務。2014年に単身韓国・ソウルに渡り、日本と韓国の情勢について研究。韓国企業で勤務する傍ら、執筆活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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