共通テスト不正で聞こえてきた捜査員のぼやき 京大カンニング事件で石原慎太郎は「やられた方がバカ」と言っていた

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 先週は大学入学共通テストの流出が大きなニュースになった。スクープした読売新聞は連日一面トップ。ワイドショーも不正に加担させられた東大生を出演させるなど、てんやわんやの騒ぎだった。結局、テストから12日後の27日午前、仮面浪人中の19歳の女学生が出頭し、一件落着となったが、捜査を担当する警視庁捜査一課のなかには、「たかがカンニングで騒ぎ過ぎでしょう」とこぼす者もいるという。

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なぜ捜査一課が?

 確かにカンニングで、殺人や傷害などの事件を担当する捜査一課が投入されるというのは仰々しい。警視庁担当記者によれば、

「一課にはネット上の脅迫などハイテク犯罪を専門に扱う、通称『ハイテク係』があります。テレビ番組『テラスハウス』に出演し、誹謗中傷がきっかけで自殺したプロレスラー木村花さんへの侮辱事件などを担当した部署です。とはいえ、強行犯を扱う一課がカンニング犯を探すなんて異例のこと。本当は所轄でやってもいい事案ですが、社会的に大きな関心が集まったため、エース級の捜査班を投入したかったのでしょう」

 女子大生は、関西の大学に通いながら東京都内の有名私大への入学を目指す仮面浪人生だった。騒ぎがニュースになると、泣きながら母親に電話で相談。実家は高知県だったが、わざわざ隣の香川県丸亀署に母親と祖母に付き添われて出頭した。「地元に出頭したら、ウワサが広まってしまう」ことを恐れていたという。

ネット上に溢れる処罰感情

 彼女が話していることが事実ならば、まさしく“神業”である。試験中、上着の袖の中にスマートフォンを隠し入れてテスト用紙を動画で撮影。あらかじめ家庭教師サイトで粉をかけておいた東大生などに画像を送信し、相手に「大問一つ解けるごとにまとめて送っていただけたら」と返信までしていた。

 警視庁は捜査員を香川まで派遣し、任意で再現実験もしているが、起訴を求めない意見を付けて書類送検する方針だ。だが、ネット上には女子大生に対して厳罰を求める声も溢れている。そんな世論に対し、一部の捜査員は「ただのカンニングでそこまで騒ぐ話か」とこぼしているという。

「むしろ、彼女の出頭後に被害届を提出した大学入試センターの姿勢を疑問視する声が出ています。そもそも彼らがしっかり監督していれば、こんな大事には至らならなかったわけです。『ちゃんと見ていれば気づくだろう』と。実際、今回は三重県の会場で、太ももの間にスマートフォンを挟み込んでいる受験生が試験官に見つかっていますが、受験生は失格になっただけ。『いったいその差はどこにあるのか』という声も出ています」(同・記者)

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