ヤフーが従業員の「居住地の縛り」を撤廃 飛行機通勤も可能に

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 リモートワークはひとまず終了、仕事は会社で、となった勤め人も多かろうが、そんな「オフィス回帰」もどこ吹く風。ヤフーは4月から従業員約8千人の居住地の縛りを原則撤廃、どこに住んでいてもよしとする。

「こうした取り組みは8年前から始めていました」

 とはヤフーの広報担当者。

「2014年導入の『どこでもオフィス』という制度は、働く場所を月に2回、自由に選べるというもので、16年には月5回までに増やしています。そして一昨年にはコロナ禍の影響もあり、回数の制限をなくしました。つまり基本的に出社の必要がなくなり、現在、従業員の約9割がリモートで働いている状況です」

 ただし、居住地の制約は残っていた。事前に指示があった場合の出社時間は午前11時。本社は東京都千代田区だから、自ずと住めるエリアは限られていた。

「遠いところでは軽井沢や越後湯沢に住む者がいます。新幹線を使えば午前11時に間に合いますので」

 ところが、だ。いよいよ4月からは出社時間の制限もなくすという。通勤交通費も「片道6500円まで」だったのを撤廃。出社が必要なら月15万円までの範囲で飛行機を使ってもいいという。このため、

「今後は北海道や沖縄、さらに離島に住んでも働けるようになりますね」

 まさにリモートの究極形。

「あくまで基本はオンライン勤務です。スタッフの出社が必要と上司が判断した場合、チームに対し2営業日前までに理由を添えて伝えなければなりません」

 ちなみにリモートワークでは働く時間も自由。

「上司に始業時間と終業時間を伝えればよく、平均で1日7時間45分になればOKです。たとえば家庭の用事で3時間しか働けない日があったら、残りを別の日の勤務で補完できます」

 作業場所もまたどこでもよく、喫茶店だって構わないそう。リモート勤務手当も月1万円までつく。

「それは二つの手当からなり、ひとつは通信費補助で月額5千円。もうひとつが『どこでもオフィス手当』で月額5千円。自宅における作業スペースの環境改善のために、椅子や備品を購入してもらうための費用です」

 ここまでヤフーがリモートワーク環境を整備するのは、なぜなのか。

「最大の目的は社員に最適な働き方を選択してもらうことで、パフォーマンスを向上してもらい、よりよいサービスにつなげることです。ひいては地方の優秀な人材の獲得にもつながると期待しています」

週刊新潮 2022年1月27日号掲載

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