不倫相手は「人形」だった アパートを借り重ねた逢瀬、それを知った妻の“ドン引き”

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ゆっこパート2を購入

 そしてなぜか、マイホームを購入した5年前、彼は「ゆっこパート2」を手に入れた。人形を一体増やしたのだ。

「結婚したころから考えていました。以前のように、僕が毎日ゆっこと一緒にいられるわけではないので、ゆっこがひとりじゃ寂しいだろうと。それで毎月、少しずつ積み立て貯金をして、当時最新の技術を使ったドールをひとり招き入れたんです。体温があるかのようにあったかくできるので、ゆっこ2とはよく抱き合っています。そのときは“ゆっこ1”は背を向けて、こっちを見られないようにしています。なんだか悪い気がして」

 もちろん、ゆっこ2も反応はない。だが、必ずしも性的満足が目的ではないし、人形がふたりいることで、祥平さんの満足度は上がっているという。

「うち、息子が生まれてからほとんどレスでした。妻が疲れているときにうっかり誘って、『そんな状況じゃないと思うけど、わからない?』と言われてひどく傷ついたんです。それ以来、僕からは誘ってない。美結のほうから何度か、遠回しに誘いをかけてきたことはありますが、気づかないふりをしてしまいました。なんだかできる気がしなかった。それでも妻のことは大好きだし、ゆっことの関係と美結との関係はまったく違うもの。僕の中では割り切っているんです」

 人形との関係が不倫なのかと言われると、そうではないと言うしかない。だが、妻がそれを知ったらどう思うか。祥平さんはそこまで考えたことはなかった。

アパートが火事に

 2年前のある日、警察から電話がかかってきた。例のアパートの別の住人がボヤを出したらしい。不在だった祥平さんの安否確認だった。彼はとるものもとりあえずアパートに駆けつけた。

「2階建てのアパートで、僕は1階なんですが、ボヤを出したのは2階の斜め上の部屋。幸い、住民が消化器で消せる程度だった。だけどそれを機に、大家さんがアパートを建て替えるという話になって……。いろいろ連絡をとりあわなければいけないことも増え、妻が『どうしたの?』と言い出したんです」

 それでも彼は必死に隠した。友だちが借金を踏み倒して逃げたから自分も巻き込まれている、保証人にはなっていないなど、話をいろいろでっち上げているうち、ますます妻から疑いの目で見られるようになった。

「とりあえずふたりのゆっこを、どこかに避難させなければならない。大家さんに見つかったら困るし。そこで新たにアパートを借りることにしたんです。ただ、当時、僕は仕事がひどく忙しくて、なかなかアパート探しができない。しかたがないので、ふたりのゆっこをレンタル倉庫に預けることにしたんです」

 仕事の合間を縫って倉庫を契約、ふたりのゆっこを運び入れたが、かわいそうでたまらなかったという。

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