立憲代表選 枝野失脚、「玄葉光一郎」不出馬に党内から安堵の声が漏れる理由

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 告示が11月19日、投開票が30日にと決まった立憲民主党の代表選。各メディアでは連日のように有力候補が取り沙汰されている。(敬称略)

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 今回の衆院選で立民は、改選前の109議席を96議席に減らした。多くのマスコミが《惨敗》と報じ、辞意を表明していた枝野幸男(57)の代表辞任が12日の常任幹事会で正式に承認された。担当記者が言う。

「自民党批判票の多くは維新に流れ、立民は受け皿になれませんでした。野党共闘では一部の小選挙区で成果を上げたとはいえ、比例票が全く伸びなかったのが敗因です。枝野さんの辞任は当然でしょう」

 有権者が共産党との連携を嫌気した、という分析は多い。だが、もっと根本的な原因があるという。

「結局のところ、旧民主党に対する負のイメージが、依然として払拭できていないことが大きいと思います。有権者に“民主党政権アレルギー”を忘れてもらうためには、代表選が盛り上がるかどうかが大きな鍵です。自民党総裁選のようにマスコミに連日取り上げてもらえるのか、そしてどれだけ刷新感のある代表を選出できるのか、立民議員の手腕が問われていると言えます」(同・記者)

 ところが、これまでの報道を見ると、有権者が「またかよ」と呆れるような名前が散見される。肝心の刷新感があまりないのだ。

小川淳也の刷新感

 毎日新聞は11月3日の朝刊で、代表選に《意欲を示す》《推す声が出ている》《有資格者》などとして、以下の7人の実名を列挙した(註1)。年齢の若い順にご紹介しよう。

▼泉健太(47)=政調会長/京都3区
▼小川淳也(50)=元総務政務官/香川1区
▼玄葉光一郎(57)=元外務相/福島3区
▼長妻昭(61)=元厚労相/東京7区
▼馬淵澄夫(61)=元国交相/奈良1区
▼逢坂誠二(62)=元首相補佐官/北海道8区
▼岡田克也(68)=元民主党代表/三重3区

 だが玄葉は、10日に出演したBS-TBSの番組で、「中堅が意欲を示しているので私がしゃしゃり出ることはない」と立候補しない考えを示した。

 その一方、小川の名を代表候補として挙げるメディアが増えている。旧民主党を連想させないところが最大の武器だろう。

 2020年6月に公開されたドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」[大島新監督(52)/ネツゲン]では、小川の17年にわたる政治活動が紹介されている。

 キネマ旬報の2020年度文化映画ベスト・テンで1位に輝くなど、映画が高く評価されたことで小川の知名度も上昇。今回の総選挙では初代デジタル相を務めた平井卓也(63)を破ったことでも注目を集めた(註:平井は比例復活)。

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