【体験記】コロナ禍で増加「国際ロマンス詐欺」にだまされてみた 「ロマンス詐欺あるある」に注意
軍の機密情報の管理!?
メッセンジャーでのやり取りが始まり、私の居住エリア、年齢など基本的な質問に答えると、ジェニファーは、自身の状況をこう説明した。
「私は現在、イエメンで国際平和維持活動に参加しているの。ここでの私の任務は、軍の機密情報の管理。赴任してもう2年になるわ。任期が終了したら日本へ行きたい」
早速、「日本」というキーワードを繰り出し、距離を詰めてこようとするジェニファー。そこで私は、彼女の異性関係について尋ねてみた。
「私には長年彼氏がいたんだけど、親友と関係を持ったことが分かったから、別れたわ。独りで生きていこうと決めたのよ。フェイスブックであなたに会うまでは。あなたは神様からの贈り物。あなたの存在が、私に笑顔を取り戻させてくれたの」
国際ロマンス詐欺に対する予備知識がない状態で、いきなりこんな「熱烈」なメッセージを浴びせられたら、舞い上がってしまうだろう。私が取材した被害者の多くは、中高年層の女性たちだった。独身者は寂しさと老後への不安を抱え、既婚者でも夫への愛情はすでに冷め、どこか満たされない日常を生きているから、心が渇いていた。犯行グループはそこに水を注ぎ込むかのように、言葉巧みに虚を突くのだ。
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