【体験記】コロナ禍で増加「国際ロマンス詐欺」にだまされてみた 「ロマンス詐欺あるある」に注意

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米海軍勤務を名乗る女性から友達申請が

 都内の自宅に帰宅途中の、9月下旬のある晩のことだった。こうしたやり取りをもうかれこれ半年ほど続けているが、この日の相手からの「愛のささやき」はとりわけ強烈だった。

 その相手から、フェイスブックの私のアカウントに友達申請がきたのは、今年3月下旬。名前は「ジェニファー」で、年齢は31歳という。プロフィールの写真は、高い鼻に柔和な目、つやの良い真っ白な肌、端整な顔立ちをした欧米系の女性だ。しかも軍服姿で、勤務先は「U.S.Navy」(米海軍)。過去の投稿を溯ると、ベンチで愛犬と一緒に座っている写真がアップされている。胸元を強調する黒いシャツに短パンを穿き、むっちむちの美ボディーをアピールしていた。

 それらの写真を一瞥しただけで、私はジェニファーに心を奪われた。「恋愛対象」としてではなく「取材対象」として。写真の先にいる相手は、国際ロマンス詐欺に関与している犯行グループの一味だろうと直感したのだ。なぜなら、私は本誌(「週刊新潮」2020年10月15日号)に〈「国際ロマンス詐欺」被害女性たちの体験談〉と題したルポを寄稿し、詐欺被害に遭った複数の日本人女性を取材していたからである。

 国際ロマンス詐欺とは、SNSやマッチングアプリなどインターネットで知り合った外国人と連絡を取り合ううちに、送金を迫られる特殊詐欺の一種だ。被害は時に数百万円、多い時で数千万円という額も報告されている。

 こうした被害の相談を受ける独立行政法人「国民生活センター」によると、19年度の相談は25件だったが、20年度は58件へと倍以上に増えた。その背景には、新型コロナウイルスの感染拡大により対面での食事の場が減少し、ネット利用が増えたことがあるという。

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