岸田総理、勝利の背景に“SNSコンサル” 担当者は「短歌や俳句のようにツイートを熟考」と評価

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俳句や短歌のようにツイート内容を熟考

 確かに敵失という僥倖もあった。さらに、前回の敗戦から今回に至るまで、外部からアドバイスしてきたのが、共同PR総研所長の池田健三郎氏である。

 その池田氏によれば、

「私は昨年8月頃からこの総裁選まで岸田さんの広報戦略のアドバイザーを務めていました。岸田さんはそれまで発信力が課題で、昨年からプロをつけてしっかり取り組もうと岸田陣営から依頼を受けたのです。この1年で注力してきたのはテレビ、新聞、雑誌における目線や立ち居振る舞いなどで、SNSを中心に全般的なアドバイスをしてきました」

 特にツイッターに関して、こう言う。

「実は岸田さんがツイッターアカウントを開設したのは去年の4月のことなんです。人気商売である政治家が、つい最近までツイッターをやっていなかったというのは正直驚きでした。岸田さんは非常に真面目な方で、ツイッターを始めるにあたり、トランプ大統領のツイッターの使い方を気にされていました。“ツイッターを始めるとやめられなくなるのでは”“トランプ大統領のように不穏当なツイートをして、拡散してしまうのでは”という思いを抱いていたようです。それもあり、ツイッターを始めるときには、周辺の人からも説得をしたようです」(同)

 真面目さが一周回って、周囲から笑いすら起きてしまいそうな話だが、総裁を目指す以上、プライベートを見せる覚悟を決めなければと、家族とのエピソードの発信にも踏み切った。

 池田氏が続ける。

「政治家の中にはツイートを秘書に任せている人も多い中、岸田さんは文面をご自身で練られています。まるで、俳句や短歌を考えるように言葉を吟味し、熟考しているのです。岸田さんのツイートは“AではあるがBの面もある”というような多面的な視点から作られた文面が多く、深みを感じさせます」

週刊新潮 2021年10月14日号掲載

特集「“弱くても勝てます”『岸田文雄』研究」より

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