河野太郎の危うさ 中国側からすれば河野親子は抱え込んだ“身内”も同然

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 再選必至とみられていた菅義偉首相が急遽辞任することになった。菅氏が辞任意向を示さなければ、内閣支持率は今頃20%台に落ちていたかもしれない。菅氏の実績は相当のものと認めるが、実現した項目は大切だが地味なものばかり。それで景気が良くなるというようなものではない。そのせいか内閣支持率は落ちるばかり。しかも菅政権下での今年の国政補欠選挙は、あらかた惨敗した。

 加えて致命的だったのは同志である小此木八郎氏が横浜市長選で惨敗したことだ。小此木氏は現職の国家公安委員長という閣僚ポストまで投げ出して立候補した人物だ。加えて神奈川県は菅首相のお膝元。全議員の脳裏に閃いたのは、近々に行われる総選挙と来年夏に行われる参院選のことだったろう。

 党員、議員達の関心は、誰を担いだら選挙に勝てるかの一点に収斂した。首相職に誰が向いているのかなどには、ほとんど興味がなく、見た目の感じで総裁選びが進行しているのは憂慮すべきことだ。選挙民の目は、見た目の良さ、育ちの良さで鳩山由紀夫氏を選んでしまった経験もある。総選挙を目前に私がどうしても問題提起したいという気になったのは、流れている空気がとんでもない人を選びそうになっている、と判断したからだ。

河野氏の“エネルギー政策”は…

 河野太郎氏は外相、防衛相、コロナワクチン担当相としてそれなりの実績を上げたと思う。しかし今後の国際情勢は、米中対決に向かって動いている。日米豪印のクアッドといい、米英豪のAUKUSといい、全て中国を抑え込んでいく狙いがある。

 一方で戦略兵器の秘密を守り、敵対国に盗ませないことも同盟国共通の義務である。河野氏は外相を辞める寸前、安倍首相に直訴して秋田県に配備予定のイージス・アショア計画を中止した。代わりに「敵から撃たれたら直ちに適地を攻撃する手段を考えて貰いたい」と言われて了承した。しかし河野氏は、最近の発言では「ウニャムニャ」と要領を得ない。これでは「イージスをやめろ」と言っていた中国の意のままであるばかりか、同盟国を裏切る行為であると言っていい。

 今年の7月、日本政府は日本の再生可能エネルギーの大幅な増加計画を決めた。産業革命以来、人類が石炭、石油を火力として産業を発達させた結果、地球の表面温度が1.5度上昇し、そのせいで山火事などの自然災害が増えたからだという。

 このため国際エネルギー機関(IEA)が先進各国に対し、太陽エネルギーなどに切り替えることを求めた。日本のエネルギー基本計画の原案は、2030年の電源構成に関し、太陽光など再生エネの割合を現行計画の22~24%から36~38%に引き上げる一方、火力発電は56%から41%に下げる内容となっている。ファティ・ビロルIEA事務局長は「日本の温室効果ガス削減目標は、世界から好意的に受け止められている」(読売新聞 7月25日)と歓迎する一方、「欧米に比べ日本の再生エネ(太陽光、風力)は、適した土地の制約から伸びしろが限られている」とも指摘。従って「原発の安全な活用も含め、選択肢が多い方が良い」「原発の活用は気候変動対策、エネルギー価格の抑制、エネルギー安全保障の三つの目的に合致する」と語っている。このビロル氏の考え方は日本の経済界や自民党が言っている主旨と大差ない。

 だが菅義偉氏が太陽光などの自然エネの割合を36~38%に引き上げることを発表した際、この案を推し進めていた小泉進次郎氏は、テレビ画面に出てきて菅首相を応援していた。父親の小泉純一郎元首相が「原発ゼロ」派とは知っていたが、子息も全く同じだと、この時はっきり知った。次の首相が河野太郎氏になれば、この方針が引き継がれることは間違いない。計画通りならば、この10年間で原発13基分が廃止ということになる。これを太陽エネルギーで代替できるのか。

 2019年度の再生エネは全電力の18%、30年にはこれを倍増させなければならない。原子力は現在のおよそ5%を20~22%に引き上げる計画だが、河野、菅、小泉の集団がそれをやると信じ切れるのか。と言うのも、太陽エネが普及すればする程、中国と河野家が豊かになる仕組みが出来上がっているのである。親中に傾けば傾くほど、河野家が儲かる。こういう立場の人は権力から離れるべきだ。

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