河野太郎の危うさ 中国側からすれば河野親子は抱え込んだ“身内”も同然

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中国側から見れば河野父子は“身内”

 河野氏は、中国にある河野家の企業から献金を貰っても、「収支報告を毎回しっかりやっておけば何の問題もない」と述べている。この会社がオモチャ作りの会社だったら問題ないが、国策に関係する太陽光発電関連事業だからこそ問題なのである。太陽光発電が流行りだした頃、日本にも太陽光パネルメーカーが乱立した。しかし中国が安く作るようになった結果、日本を含む諸外国の会社は潰れ、中国に太陽光パネルメーカーの約8割が集中した、と言われる。日本の関連メーカーは、特殊なものを除いてほとんど潰れたのである。

 河野家が経営する「日本端子株式会社」の本社は神奈川県平塚市にあり、土地建物は河野洋平代表が所有。河野洋平氏が代表取締役会長、同氏の次男である河野二郎氏が代表取締役社長。国内に2工場(大磯工場、花泉工場)の他に国内に3支店、2営業所他。海外では中国に3つの子会社。河野太郎氏は日本端子から合計約3000万円の政治献金を受けている(他のファミリー企業からのものも含めると7000万円弱)がこの際、金額の多寡の話は省く。

 河野太郎氏は93年、日本端子の取締役に就任する。「河野談話」が後か先だったか気になるが、95年には「北京日端電子有限公司」を設立。96年には香港に、12年には独立資本で「昆山日端電子科技有限公司」を開業した。中国との合弁の相手方は国営の資産管理会社が大株主となっているから「日端」は潰れない保証を貰ったも同然だ。全くの身分違いの大企業が小企業を抱きかかえているのだ。日端の売上高は155億円、相手方の売り上げは2兆3000億円と、150倍もの差がある。要するに中国側から見れば河野父子は抱え込んだ“身内”なのである。

私の思想にぴったり合う候補は

 河野太郎外相(当時)が「河野談話」を「見直すつもりはないのか」という質問を受けた時、太郎氏は「人は人」と質問をはぐらかした。「河野談話」の内容は、今では全くの嘘と判明し、火元の朝日新聞が「慰安婦の記事を取り消す」と32年経って発表したのである。それでも談話を取り消せないのは何故かと思っていたが、太郎氏も、対中配慮をせざるを得ない洋平氏と全く同じ立場なのだ。

 日本の太陽エネ化は実感的に無理だと思う。私は西ヨーロッパに7年間住んでいたが、傘を使った記憶がない。雨は降るが、10分も経てばやむ。そういう地域では、太陽エネは普及するだろうが、日本の気候では無理だろう。工業立国を続けるつもりならば、嵐の時でも供給される電気が必要だ。あと10年で石炭、石油、LNGの火力発電は半減する。温暖化防止という目標は理解できるが、これで国が成り立っていけるのか。

「原子力」というと、危険とか爆弾にしか考えが及ばない人ばかりだが、今世界には水を使わない小型原子炉が開発されている。日本は新しい技術を開発し、電力問題に終止符を打つ方向を探るべきだ。

 河野家が政府計画の電源構成を太陽エネに持っていけばいくほど、中国の河野企業は儲かる。西側主要国が反中に舵を切る中で、中国に慮る動機が太陽光パネルにあるという理屈は世界に通らない。安倍晋三元首相が築いた外交戦略は各国を総合した戦略でもある。河野太郎氏はそれを危うくしかねない。

 河野太郎氏は女系天皇でもよいと言い、夫婦別姓を擁護する。敵地攻撃兵器もいらないと、保守主義者達が守ってきた伝統を全部変えようとしている。私の思想にぴったり合うのは高市早苗氏だ。

 今、自民党の皆さんが選ぼうとしているのは自民党総裁ではなく次の総理大臣だ、と認識してもらいたい。

政治評論家 屋山太郎

デイリー新潮取材班編集

2021年9月28日掲載

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