25歳“硫酸男”の正体 実は静岡の大学に編入した現役学生。両親は他界し実家でひとり暮らし

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相次いで急死した父母

 急展開の逮捕に地元・静岡も騒然としている。花森容疑者が住んでいた静岡市葵区の自宅は、築年数は古いものの瀟洒な二階建ての邸宅だ。この数年で両親を相次いで亡くした花森容疑者はここに一人で住んでいた。近隣住民によれば、

「父方の一族は静岡市内で古くから商売を営んでいたとあって、裕福な家でしたよ。お父さんは静岡駅前で整体院を開いており、腕が良いと評判でした。お母さんは中国人で、東京の病院に通う勤務医。お母さんがいつも家を空けているので、一人っ子だった弘卓くんは、朝いつもお父さんと一緒に整体院に向かい、日中はそこを自宅代わりにして学校に通っていました。そのせいか、家の近所にはあまり友達がいなかったような気がします」

 だが、花森容疑者が高校生のころ、父親が急逝したという。

「病気だったのか事故なのかはまったく知りません。ただ、お母さんも弘卓くんを一人にしておけないので、勤務先を東京から静岡に変えて、それからはここで二人暮らしをするようになりました。その後、弘卓くんは琉球大学に進学することになり、お母さん一人になったのですが、彼が大学2年生くらいのころ、今度はお母さんも急死してしまった」(同)

“生き物の研究を続けたい”

 こうして天涯孤独の身となってしまった花森容疑者。まだ学生だったので父親の兄が後見人として面倒を見ることになったという。母親の死が影響したのか、その後、沖縄生活に見切りをつけて地元に戻り、静岡の大学に編入した。

「おじさんによれば、“生き物の研究を続けたい”って言っていたようで、大学でもそういう研究をしていたんじゃないかしら。家の中にも、土とか水槽とかを持ち込んで、生物を熱心に飼育していたみたい。『おかえり』って声をかえたら『ただいま』って返してくれる感じのいい普通の子です」(同)

 花森容疑者が今回硫酸で襲撃した男性は、沖縄時代のサークルの後輩である。なぜ地元で新たな生活をスタートさせながらも、“過去”の友人を狙ったのか。強い怨恨があったとみられるが、警視庁の取り調べに「今は何も話したくない」と話しているという。

デイリー新潮取材班

2021年8月28日掲載

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