毎回不評の「菅会見」 ダメな理由は話し方や内容ではない、もっと根本的な理由があった

国内 政治 2021年7月14日掲載

  • ブックマーク

致命的なミス

 7月8日、政府は東京都に4度目の緊急事態宣言を発令すると決めた。間を置かずに菅義偉首相(72)は記者会見に臨み、NHK総合などが生中継を行った。

 ***

 ところが、菅首相のスピーチが映されると、かなりの有権者が不満を感じたようなのだ。

 東京五輪や衆議院選挙を目前にする菅首相は、有権者に自身のリーダーシップを印象づけたかったに違いない。だがTwitterを検索すると、非常に厳しい意見が目立つ。

《4回目という未曾有の経験をしている中でこんなにも国民の心に響かない会見を良くも出来るもんだ》

《総理の説明を聞いていますが、全く心に響かないです》

《相変わらず質問にはまともに答えられない/首相はもっと能力のある人にやってもらいたい》

 メディア側も辛口の評価が多かった。ネット上で反響が大きかった記事のうち、いくつかの見出しをご紹介しよう。

◆「ロッキンも中止なのに『なぜ五輪だけ?』緊急事態宣言でも開く意義、菅首相らの答えは」(東京新聞:7月9日)

◆「菅首相『ヤラセ会見』疑惑 挙手していない記者が指名される“珍事”の目撃証言」(日刊ゲンダイDIGITAL:7月9日)

◆「菅首相『ワクチン接種、先進国の中で最速』はミスリード。会見で強調、実際は…」(BuzzFeed Japan:7月9日)

致命的なミス

 菅首相にとっては踏んだり蹴ったりの会見だったようだ。

 官房長官時代は記者の質問を「全く問題ない」「批判は当たらない」と切り捨て、そのスタイルを評価する声もあった。180度異なる反応には驚かされるが、やはり首相の立場での会見は勝手が違うのだろうか。

 自民党の衆議院議員だった深谷隆司氏(85)は、政界OBの“ご意見番”として知られる。1972年の衆院選で初当選。合計9回の当選を果たし、当時の自治大臣や通商産業大臣などの要職を歴任した。

 深谷氏に取材を依頼し、会見における菅首相の問題点について訊くと、興味深い回答が返ってきた。

「最大の問題点は、菅首相の喋り方でもなければ、喋る内容でもありません。それこそ喋る前に、大問題が潜んでいたのです。あの会見で、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が、菅首相の横に立っていました。あれが実は、一番やってはいけないことでしょう。菅首相は有権者から選出された日本の最高責任者です。コロナ禍という国難に立ち向かう意思を表明する会見なのですから、1人で会見に臨むべきだったのです」

次ページ:リーダーシップの欠如

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]