制作者が語る「ビッグダディ」秘話 美奈子登場で激変 夫婦喧嘩の裏側と番組終了の理由

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清志さんがモテる理由

 当時、清志氏は46歳。再婚が描かれた第12回(2011年10月1日放送)を見た視聴者の中には、再婚相手が18歳年下の女性ということに驚いた方も多かったはずだ。

「どうしてこんな若くて可愛らしい方が……というのは、我々も率直に思いましたよ。一方で、美奈子さんが清志さんに惹かれた理由もよく分かるんです。とにかく彼はマメな性格で、面倒見が良い。話好きで明るく、頑固ではありますが、言い換えれば芯が通った性格です。あと、子どもを愛する目はすごいですよ。血のつながった子どもだけでなく、連れ子にも分け隔てなく接することが出来る。普通なかなか出来ることじゃないですから、よほど大きな愛情を持った人なんだと思います」(同)

 一家は、豊田市のマンションで2部屋に別れ新生活を始めたが、手狭になったため、ほどなくして次の移住先を探し始めた。

 島根県隠岐の島で漁師として働く計画が持ち上がるが、体力的に厳しく断念。そして、次なる移住先は香川県の小豆島に決まった。

「清志さんと相談して、暖かそうな小豆島が良いということになったんです。引っ越しの費用や旅費は番組が負担しましたが、借りるより安く済むからと購入した一軒家の費用は、清志さんが工面しました。島で開業した接骨院では、美奈子さんが受付をして、夫婦2人で働いていました」(同)

激しい夫婦喧嘩

 こうして始まった一家の小豆島での新しい生活だが、当初から穏やかな暮らしとは言い難かった。

「清志さんの子ども達は、中学生から小学校高学年と思春期の難しい年ごろに差し掛かっていました。実の親とも上手くいかないような時期ですから、急に出来た継母とすぐに良好な関係を築くのは難しかった。そんな中でも、美奈子さんの連れ子とは子ども同士で仲良くやっていましたし、美奈子さんも頑張ってお母さんをやっていたと思います。一方、美奈子さんは元妻・佳美さんへの対抗心も強かった。自分が出ている放送回の中に、元妻が出演する回想シーンが流れるのも嫌だと言いだしたんです。美奈子さんの気持ちが分からなくもないですが、これはちょっと困りましたね。2つの家族が1つになるというのは本当に大変なことだったようで、新婚の甘い時間はほとんどなく、美奈子さんはどんどんストレスを溜めていきました」(同)

 清志氏との間に出来た末娘の出産後には、夫婦喧嘩がますます増え、家庭の雰囲気は険悪になっていく。

「美奈子さんに最初に会った時に感じた、控えめなイメージはだんだんと変わってきました。番組では子ども達の和気あいあいとしたところよりも、夫婦喧嘩のシーンが増えてきました。テレビ的に言えば美味しいところですが、撮影や編集を工夫して、喧嘩の際に美奈子さんが悪い印象を持たれないように見えないように配慮しました。それでも、美奈子さんが喧嘩ばかりしている印象が強くなってしまったのは、激しい口調でしょっちゅう言い合いをしていたからだと思います。あとは、彼女が赤ちゃんがタバコを吸っているみたいな強烈なデザインのTシャツを着ていることで、イメージが悪く映ってしまった。本人にすれば普段着なんでしょうが、視聴者からも“あのTシャツはなんだ”とクレームが入ったこともありました」(同)

 のちにパロディにされたこともある、有名な“高速土下座”もこの頃生まれた。夫婦喧嘩の最中に「ねえ、謝ってよさっきの」と詰め寄る美奈子さんに対し、清志氏が「はい、ごめんなさい、すみませんでした」と間髪入れず土下座する、あのシーンである。

「清志さんは、自分が正しいと思った時には、はっきり反論する人です。美奈子さんは、さらにはっきりと物を言うし、弁が立つ人だから、すぐに2人は激しい言い合いになる。喧嘩を重ねる内に、言い返すよりもさっさと謝った方が丸く収まる済むと分かってきて、清志さんはすぐに土下座したんでしょう」(同)

 その後、夫婦関係が修復することはなく、わずか2年で離婚。美奈子さんは6人の子どもを連れて、小豆島を出て行ってしまう。

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