少子化でも来年の4年制大学は定員2975人増?「人気のない大学は潰れる」は大間違い

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高等教育無償化法

 これまで全く医療系の学部に縁のなかった大学でも、看護学部や介護系の学部が検討される。その際に教授会などで「本当にできるのですか?」と異論が出ることもあるという。

「ところが、そうした短大や女子大が看護学部を新設できるのか、新設するとどれくらいのメリットがあるのか調査を行うと、事務方も教授も『看護学部を新設しない理由が見当たらない』という結論に達してしまうそうです。それほど受験者が殺到するんですね。何しろ国も看護学部の大学化を強くバックアップしており、20年には高等教育無償化法がスタートしたほどです」(同・石渡氏)

 高等教育無償化法は収入の低い家庭に生まれ育った学生の大学進学を支援する法律で、要件を満たせば返済の義務はない。

 看護学部や介護系の学部を対象にしているわけではないが、比較的、家庭環境の厳しい高校生で、看護師や介護関係を希望するケースは珍しくない。法律を詳しく説明している看護学部の公式サイトも散見される。

「『同じ看護師でも、短大・専門学校を卒業した人より大学を卒業した人のほうが、給与は高く、待遇も違う』のではないかと不安な受験生もいるといいます。そうしたことが複合的に合わさり、4年制大学の看護学部のほうが受験生は集まるのです。こうして少子化で子供は減っても大学の定員は増え続けています」(同・石渡氏)

大阪芸大が倒産!?

 それにしても、予測とは全く違う実態となってしまった。少子化によって2009年頃には大学全入時代に突入し、人気のない大学は定員割れが状態化して経営が悪化、次々と倒産していくという報道が2010年代には垂れ流されていた。ご記憶の方も多いだろう。

 週刊東洋経済の18年2月10日号は、「大学が壊れる」の特集を組んだ。その中に「本市独自試算! 本業のキャッシュフローで見た 強い私大50 危ない私大100」の記事がある。

 東洋経済が「経営危機は絵空事ではない」とした、ワースト1位から5位の大学名を引用させていただく。

◆ワースト1位:大阪芸術大学・大阪芸術大学短期大学部(大阪府・塚本学院)
◆ワースト2位:福井工業大学(福井県・金井学院)
◆ワースト3位:大阪健康福祉短期大学(大阪府・みどり学園)
◆ワースト4位:札幌学院大学(北海道)
◆ワースト5位:大阪国際大学・大阪国際大学短期大学部(大阪府・大阪国際学園)

 だが、同誌の報道から数年が経過したが、上記の大学や短大で倒産したところは1つもない。

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