全国のヤクザは過去最少の2万6000人、今後は“組”消滅の可能性で進む“二極化”

国内 社会 2021年4月24日掲載

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困窮する組員

 新年度を迎え、新聞社やNHKなどは警察に取材し、暴力団の動向を報じている。全国的に組員数は過去最低を記録しており、六代目山口組、神戸山口組、絆會が本部を置く兵庫県でも、減少傾向は加速する一方だという。

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 まずは各紙の記事をご紹介しよう。先に見出しからご覧いただきたい。出典はいずれも電子版だ。

◆「施行10年、暴力団構成員3分の1に 兵庫県暴排条例」(神戸新聞:3月31日)
◆「暴力団2万5900人 16年連続減少―警察庁」(時事通信:4月8日)
◆「神戸山口組、暴力団指定から5年 抗争続くも勢力減退」(産経新聞:4月15日)
◆「暴力団構成員 兵庫県内約430人で過去最少」(NHK NEWS WEB:4月20日)
◆「兵庫の暴力団勢力が過去最少 細る資金源、抗争なお続く」(朝日新聞:4月18日)

 警察白書などによると、「暴力団構成員等」の数は1963年の約18万4100人が過去最多。昭和の頃は前年比で微増した時期もあったが、長いスパンで見ると一貫して右肩下がりだ。

 警察庁の調査では、2020年末の時点で、暴力団組員(構成員)は全国で約1万3300人、組織に協力する準構成員は約1万2700人という。ピーク時と比較すると85パーセント減という数字になる。

 ここで山口組の分裂について触れておこう。2005年に6代目組長が就任したが、15年に直系組長13人が離脱して神戸山口組を結成した。更に17年には、神戸山口組からの離脱者が絆會を結成した。

抗争は厳禁の理由

 3つの組は、いずれも兵庫県内に本部を置く。組員の数を、4月18日に配信された朝日新聞デジタルの記事「兵庫の暴力団勢力が過去最少 細る資金源、抗争なお続く」が報じている。

 六代目山口組が150人、神戸山口組が470人、絆會が90人──合計すると710人。朝日新聞は兵庫県警の組織犯罪対策課のデータとして、ピークは05年の3260人としている。著しい減少傾向にあるのは誰の目にも明らかだ。

 NHKは兵庫県警に取材し《対立組織間の抗争が続いていることから警察は取締りをさらに強化して暴力団の排除を進めることにしています》と報じた。

 だが、組員の減少に悩む暴力団が、今後も抗争を起こすのだろうか。

 暴力団の動向に詳しいジャーナリストの藤原良氏は、「少なくとも兵庫県内では、それぞれの組は抗争を厳禁する指示を出しています」と指摘する。

「組員レベルでの小競り合いは、もちろん今でも起きています。しかし抗争に発展することはありません。幹部が抗争を厳禁とする理由は、大きく言って2つです。1つ目は新型コロナウイルスの影響です。コロナ下で抗争を行えば、市民の強い反発を招きます」

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