ヤクザと一緒に逮捕された「元ヤンキー町議」 議員時代は「暴力団との対話も政治」と発言

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

風営法違反

 18年4月に行われた町長選に出馬したのだ。現職の井上幸春町長が3選を目指して立候補したが、その対抗馬となった。

「決して泡沫候補ではありませんでした。複数の町議が支持を表明し、橋本さんは当選すると考えて出馬したのだと思います。とはいえ、町議選だったから彼に投票したという町民は少なくなかったでしょう。やはり町長選となると、話は違ってきます。慎重になった有権者も少なくなかったはずです」(同・関係者)

 開票結果は現職の井上町長が6550票を獲得したのに対し、橋本容疑者は3175票にとどまった。完敗だった。

 町長選では落選したとはいえ、町議に返り咲く可能性はあった。だが、橋本容疑者は自分でその芽を潰してしまう。

 18年6月、福岡県警に逮捕されたのだ。時事通信の記事「『元ヤンキー町議』逮捕=風営法違反容疑-福岡県警」の記事からご紹介しよう。

《逮捕容疑は2017年10月21日~11月22日、計10回にわたり行橋市の飲食店で午後10時以降、当時16~17歳だった女子高生ら3人を働かせ、客に酒類を提供させるなどした疑い》

政治生命の終わり

 事件当時の橋本容疑者は町議だったのだが、隣接する行橋市でスナックを経営。県公安委員会の許可を得ず、女性従業員を客のボックス席に同席させ、酒を提供するなどの接待をさせていた。

 最初は女子高生を働かせた風営法の「年少者雇用」違反の容疑で逮捕されたが、その後も同法の「無許可営業」容疑で再逮捕された。

「警察の調べで、橋本さんが町議時代から、こうした違法行為に手を染めていたことが判明しました。これで橋本さんの政治生命は終わりました。町長選でリベンジするどころか、町議として返り咲くこともできなくなりました」(同・関係者)

 この関係者は「橋本さんは政治家の道が絶たれ、自暴自棄になったのかもしれません」と指摘する。

 確かに町議時代の活躍と、ヤクザと共に高利を要求する姿は、同一人物とは思えない。

 先に紹介したPRESIDENT Onlineのインタビューで、橋本容疑者は脱会を希望する組員の支援活動に従事し、暴力団と対話することも大切な町議の仕事と胸を張った。

 それは事実だったのかもしれない。だが、そんな元ヤンキー町議がヤクザと共に逮捕されたのだ。何とも皮肉な末路と言わざるを得ない。

デイリー新潮編集部

2021年4月13日掲載

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。