東京電力と右翼の黒幕「田中清玄」(最終回) 晩年は地球環境問題に目覚めた“革命家”(徳本栄一郎)
龍澤寺は静岡県の三島市郊外、沢地の山林に佇んでいる。ここは禅宗の高僧、白隠禅師が開いた寺で、今も雲水たちが修行に励む。今年3月11日、鬱蒼と樹木が茂った参道を登ると、やがて視界が開けて墓地が現れた。
その一角に進むと、「田中家」と刻まれた黒ずんだ墓石が目に入った。左に墓誌の石碑が並び、「平成五年(1993年)十二月十日 田中清玄 八十七才」とある。案内してくれた元秘書の林賢一が、持参した花を供え、線香に火をつけた。晴天の空から陽光が降る中、彼と並んで手を合わせる。...