捕まった「ワタナベマホト」の本名は“摩萌峡” 命名研究家は「キラキラネームの因果」

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親の因果が子に報いる

 皮肉なことに、キラキラネームを名付ける親は「名前の意味より音を重視する」傾向があるという。

 明治安田生命の名前ランキングによると、例えば1960~70年代に生まれた男児には「誠」の漢字が多く使われており、何度も1位に輝いている。これは「誠実な人間になってほしい」という願いの反映だろう。

 これに対して、週刊新潮の記事には「吐夢」と書いて「どりむ」と読ませるキラキラネームが紹介されている。この場合、親は「ドリーム」という音のことしか考えていないのだ。

 カタカナのドリームを何とか漢字にしようと悪戦苦闘し、「吐夢」という奇天烈な漢字をひねり出す。だから「吐く」という人名にはふさわしくない漢字が使われていても気にしないのだ。

 我が子に「摩萌峡」と名付けた親も、「まほと」という音を重視した可能性があるという。しかし、音としても問題があるのは前に見た通りだ。

没個性な親

「『摩萌峡』という漢字でも、『まほと』という音でも、そんな名前の人間は、普通なら警戒されます。『この人の親は普通ではない』と考えるからです。そんなことに思いが至らない親がいて、その息子が児童買春・ポルノ禁止法違反で逮捕されてしまった。『この親にしてこの子あり』や『親の因果が子に報いる』という諺を思い出す人も多いのではないでしょうか」(同・牧野氏)

 これまで牧野氏は、子供にキラキラネームを付けた多くの親に会ってきた。その経験から1つの共通点があることが分かったという。

「よく言われるような、富裕層と貧困層というような、社会階級的な差はありません。一流企業に勤めている会社員でも、子供にキラキラネームを付ける人はいます。私が実感した共通点は、真面目で没個性的、付和雷同型の人が多いというものです」

 キラキラネームを名付ける親は“ヤンキー文化”と密接な関係があると思われている。彼らは個性的と思われがちだが……。

「いえ、ヤンキーも根は同じです。群れて似たようなファッションや行動様式を好みます」(同・牧野氏)

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