捕まった「ワタナベマホト」の本名は“摩萌峡” 命名研究家は「キラキラネームの因果」

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個性は不幸!?

 そんな彼らは、親となった瞬間、「個性」という言葉をとにかく重視するという。自分には個性がなかったから、子供は個性的であってほしい。そのためには名前から個性的なものにしようというわけだ。

「しかし、キラキラネームは個性的ではありません。単に珍奇なだけです。おまけに本当の意味で個性的な人は、凡人と衝突することが多く、生きづらさを感じるケースが多いでしょう。古今東西の天才の人生を振り返れば、それは明らかです」(同)

 むしろ親としては「ちゃんと空気を読んで、ワガママを言わず、協調性を大切に、みんなと仲良くしてほしい」と願うほうが普通とも言える。

「個性を非常に重視する親は、やはり心のどこかに根深いコンプレックスを抱えていると考えられます。一方、誰にでも読めて、昔から普通にある名前を付ける親は、過度のコンプレックスがない人だと考えられます。普通の名前を持つ子供が社会から受け入れられやすいのは、そういう暗黙の了解があるからです」(同)

 2019年9月、NHK総合の「クローズアップ現代」(火~木・22:00)は「“改名”100人~私が名前を変えたワケ~」を放送した。

違和感を覚えない人々

 ある男性は親に「王子様」という名前を付けられたのだが、改名の手続きを取って「肇」としたことを明らかにした。キラキラネームからごく常識的な名前に変わったという事実は、極めて示唆的だろう。

 今のところ世論としてはキラキラネームを問題視する意見が根強いが、牧野氏は今回の事件で「世代の違い」という危機感を覚えるという。

「『ワタナベマホト』という芸名に、ある世代より上の人々は違和感を覚えるでしょう。ところが若い世代になると、少なからぬ人がファンになったわけです。これはキラキラネームをおかしいと思わない、普通の名前だと考える人が増えているということではないでしょうか」(同)

デイリー新潮取材班

2021年3月20日掲載

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