「文在寅外し」に乗り出した米日 「中国べったり」と見切り、政権交代待ち

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 バイデン(Joe Biden)大統領と菅義偉首相が「文在寅(ムン・ジェイン)外し」に動く。いくら説得しても離米従中路線は変わらないと見切った――と韓国観察者の鈴置高史氏は解説する。

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「格落ちの同盟国」扱いに

鈴置:2月4日午前(日本時間)、バイデン大統領は文在寅大統領と初の電話協議を開きました。日米首脳の電話協議に遅れること1週間でした。韓国の保守系紙はこの協議を通じ、米韓同盟の亀裂が明白になったと評しました。

 中央日報は解説記事の見出しを「文大統領とバイデン、初電話から視覚の差が露わに」(2月5日、韓国語版)としました。日本語版では「文-バイデン大統領、最初の電話会談から見解の違い鮮明に」と訳しています。

 中央日報が指摘した「米韓の間の見解の違い」は対中政策です。中国包囲網を象徴する「インド太平洋」という単語が米国側の発表に入っていなかったことに注目しました。

 バイデン大統領は菅義偉首相との電話協議でも豪州のS・モリソン(Scott Morrison)首相との協議でも「自由で開かれたインド太平洋」あるいは「インド太平洋」を使っています。中央日報の韓国語版から関連部分を翻訳します。

・韓米同盟は「北東アジアの核心軸」、日米同盟は「インド太平洋の礎石」、米豪同盟は「インド太平洋と世界の錨」と表現した。中国牽制などグローバル戦略上、どの同盟をより重視するのかさりげなく表現したわけだ。
・パク・インフィ梨花女子大学教授は「インド太平洋戦略に関し態度が不明確な韓国と異なり、積極的に参加する日本と豪州を最も重要な同伴者と見なすのは当然のことだ」と説明した。

「中国共産党への祝辞」で見切り

――韓国は「格落ちの同盟国」に転落した、ということですね。

鈴置:自然の成り行きです。バイデン大統領は就任するや否や、中国と立ち向かうと表明しました。米中二股に励む韓国をまともな同盟国と見なすわけがありません。

 バイデン政権の登場直後にも、韓国はさらなる悪材料を提供しました。1月26日、文在寅大統領が習近平主席に「中国共産党創建100年を心から祝う」と述べたのです(「『バイデンから電話が来ない』と気を揉む韓国人 原因は『習近平コール』か、それとも――」参照)。

 朝鮮日報の金真明(キム・ジンミョン)ワシントン特派員は「中国牽制しようと使う『インド太平洋』、米国が報道資料に入れず」(2月5日、韓国語版)で「中国共産党への祝辞を見て、韓国とは中国の脅威の認識を共にできないと米国が判断した可能性がある」と書きました。

 確信を持っての記述でしょう。2月1日、趙義俊(チョ・ウィジュン)特派員と共に、金真明特派員は米上院外交委員長への就任が見込まれる議員にオンラインでインタビューし、激しい文在寅批判を引き出しているからです。

 インタビューに答えたのは民主党のR・メネンデス(Robert Menendez)上院議員。「文の中国共産党祝賀に失望…こうなるために我々は血を流して韓国を守ったのか」(2月3日、韓国語版)は見出しも辛らつですが、内容も文在寅批判に満ち溢れています。記事から同議員の発言を拾います。

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