「講談社元編集次長・妻殺害事件」 “無罪”を信じて帰りを待つ「会社」の異例の対応

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

妻の父が取材に答えた

 取材の最後に群馬県伊勢崎市に向かった。妻・佳菜子さんのふるさとである。朴被告が結婚の挨拶に行った時、義父が猛反対したというエピソードは法廷でも明かされた。事件後、朴被告が事情を説明したいと連絡を取っても、会おうとしなかったという義父。今どのような思いを抱えているのか。

 インターフォンを押すと老いた男性が出てきた。

――朴被告についてどう思っていますか。

 義父は何度も頷きながら質問に耳を傾け、意図を理解すると、一言こう返した。

「いやいや、俺は、佳菜子は病気で亡くなったと思っている」

――お孫さんとは会っているのですか。

 義父は笑みを浮かべながら首を横に振り、「悪いが失礼するよ」と扉を閉ざした。

 まもなく下される二審判決を関係者は祈る気持ちで待っている。真実の行方は。そして、それは誰のために明かされるのか。答えは永久に出てこないのかもしれない。

週刊新潮WEB取材班

2021年1月29日掲載

前へ 1 2 3 4 次へ

[4/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。