プロ野球「日本シリーズ」のチケット転売横行 正規価格の10倍以上も 規制強化を

スポーツ 野球 2020年11月24日掲載

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倍率は110倍にも

 プロ野球の日本シリーズが21日に開幕し、ソフトバンクが2連勝と早くも4年連続日本一に向けて勢いに乗る中、入場チケットが、不正に高額転売されるケースが横行している。

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 新型コロナウイルス感染防止の観点から入場者数が制限され、チケットのプラチナ化が激しい。

 オークションサイトに出品された中には、正規価格の10倍以上で落札されたチケットもあるなど、モラルもへったくれもないような状況だ。

 プロ野球のチケットに限らず、他のスポーツや音楽コンサートなどでもチケットの不正転売は後を絶たないが、「いくら払ってもいいから入場したい」という熱烈なファン心理を逆手にとり、高額な転売益を得る悪質な転売ヤーを野放しにしてはならない。

「日本シリーズはチケットの販売期間が短いため申し込みが殺到する。例年、応募人数は200万人程度なので、今年は約110倍近い倍率で転売も目立っている」

 日本シリーズを主催する日本野球機構(NPB)の関係者はこう明かす。

 例年、日本シリーズチケットの高額な転売は散見されるが、コロナ禍の今年は入場者数が通常の半分以下になっているため、このNPB関係者によると、ネット上で確認できた転売情報の件数は、例年の20倍以上にも及んでいるという。

 オークションサイトでは、価格の歯止めがきかず、1枚9500円のチケットに10万円以上の値段がついたケースも複数あった。

公平公正な試合観戦の機会を奪う転売ヤー

 ここでまず大前提について整理したい。

 プロ野球の入場チケットの転売は、ファンの公平公正な試合観戦の機会を奪うとして、セ・パ12球団などで設ける「試合観戦契約約款」で禁じられている。

 転売した者が球場への出入り禁止処分を受けたりするのはもちろん、転売チケットを購入して入場した者も同様の処分を受ける可能性がある。

 また、プロ野球を含むスポーツイベントや音楽コンサートの興行チケットを巡っては、昨年6月に施行されたチケット不正転売禁止法により、「業としての転売」が禁じられ、罰則規定も設けられた。

 ただ、同法は、単なる転売ではなく、「業としての転売」を禁じているため、一度に大量のチケットを出品したり、反復継続的にチケットを出品したりするケースは規制対象となるが、単発で数枚を出品したケースなどの摘発は難しいとされる。

 チケットの転売を許してしまうと、悪質な転売ヤーが多額の利益を得たり、金持ちだけが購入できたりするという状況につながる恐れがあり、多くのファンの球場での公平公正な観戦の機会が奪われかねない。

 こうした理由でチケット転売は禁じられているわけだが、悪質な転売ヤーは、法律やプロ野球の観戦約款に抵触しないよう、巧妙な手口で摘発を免れている。

 例えば、複数のアカウントから転売することで大量出品が発覚しないようにしたり、主催者側に特定されないようチケットの席番号を隠して出品したりするなどの手口が目立ち、プロ野球主催者側と悪質転売ヤーとの間でいたちごっこが続いているのが現状だ。

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