プロ野球「日本シリーズ」のチケット転売横行 正規価格の10倍以上も 規制強化を

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「等価での転売のみ容認」抜本的な規制ルール構築を

 昨年にチケット不正転売禁止法が施行されたことで、悪質な転売行為に対して一定の歯止めがかかっているのかもしれないが、これだけ転売が横行している現状を見ると、悪質転売ヤーからすれば抜け穴ばかりのザル法ともいえるだろう。

 メルカリやヤフオクといった主流の転売仲介サイトでは、チケットの大量出品者や反復継続性の高い出品者については、「業としての転売」とみなして出品情報を削除するなど対処しているようだが、巧妙な手口で出品する悪質転売ヤーへの対策としては不十分だ。

 こうした現状を打開する上で、筆者が提唱するのは、転売仲介サイトの登録制と等価での転売のみ認める仕組みだ。

 転売仲介サイト側に対し、「チケットは等価での出品のみ容認する」といった旨の誓約を、チケット不正転売禁止法を所管する文化庁に届け出させることにより、国の厳しい規制が可能となるのではないだろうか。

 そうした抜本的な規制ルールが構築されれば、転売益を得られなくなるため悪質な転売ヤーはいなくなるだろうし、「合法サイトで買ったから問題ない」という購入者側の主張も成立しなくなる。

 チケットの不正転売の問題は、プロ野球に限ったことではない。

 コロナ禍で入場制限が続いている他のスポーツや音楽コンサートでも、正規ルートでの入場券の入手が困難となり、高額な転売益を得ようとする悪質転売ヤーは暗躍している。

 ましてや、来年は東京オリンピック・パラリンピックの観戦チケットについても、不正転売の横行が懸念される。

 国は、チケットの正規価格と等価での転売のみ認め、それ以外の転売を規制できるよう、規制の仕組みを早期に構築すべきだ。

週刊新潮WEB取材班

2020年11月24日掲載

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