NHKが制作した端島炭鉱(軍艦島)ドキュメンタリーに重大疑惑 検証を望む声

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第三者委員会の必要性

 加藤氏に対し、NHKのディレクターは端島炭鉱における“負の歴史”も、産業遺産情報センターで展示すべきではないかと質問した。

 加藤氏は“負の歴史”という概念に疑問を示す一方、“負の歴史”というイメージが広がっていった責任の一端はNHKの「緑なき島」における坑内の映像にあるのではないかと指摘したという。

「私たちが問題だと考える『緑なき島』の場面を見てもらい、検証の結果も説明したのですが、議論は平行線でうやむやに終わってしまいました」(同)

 加藤氏は「撮影スタッフが物故している可能性はありますが、だからといって“真相は藪の中”と終わらせるわけにはいきません」と言う。

「元島民の皆さんに映像をチェックしてもらっただけでも、これだけのことが判明しました。NHKは歴史家などによる第三者委員会を設置し、問題のあったドキュメンタリーだったのか、徹底的な調査を行う必要があると思います。もちろん誤りが判明したら、日本国内だけでなく、世界に向かって発表し、車のリコール同様、DVDを回収して、編集しなおす責任があるはずです。島民の尊厳を傷つける映像でもあるのですから」(同)

 NHKに取材を依頼すると、文書で回答があった。全文をご紹介しよう。

《軍艦島(端島)の状況については、様々な見方や意見があることは認識しています。ご指摘のDVDの内容につきましては、当時の取材に基づいて、制作・放送したものと考えています》

 国民会議と島民の会が公開した動画は、YouTubeで公開されている。リンクは以下の通りだ。

https://www.youtube.com/watch?v=4xrtgyrWCIM

週刊新潮WEB取材班

2020年11月20日掲載

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