日ハム「吉田輝星」は“第二の斎藤佑樹”か 新人育成システムに問題ありという声

スポーツ 野球 2020年11月12日掲載

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ハングリー精神

 プロ野球における新人育成の問題点は、江本氏によると主に2点だという。まずは人的な側面だ。

「1つは、投手と理想のコーチとの出会いが、結局は運任せになっている点です。人間がやることですから相性がある。

 Aという投手にはBという投手コーチが良くても、C投手とBコーチが合わないというのは本当によくあるケースです。

 メジャーは監督やコーチもマイナーリーグでふるいに掛けられ、指導力のあるコーチが1軍に昇格します。

 それに比べると、日本の1軍コーチは全員が指導力を保証されているわけではありません。日米の差を認識することは大事でしょう」

 もう1つは組織的な問題、つまり2軍改革が必要だということだ。

「プロ野球選手は結局、ハングリー精神がなければやっていけません。高額の年収を手にする一流の選手でも『もっと活躍したい』、『もっと野球がうまくなりたい』というハングリー精神を維持しています。

 ドラフトで上位に指名された選手は、多額の契約金を手にします。そして2軍でハングリー精神を養わせようとしても、そこそこ給料はもらえますし、衣食住は無料みたいなものです。

 成績が低迷しても食うには困らない。これではモチベーションが上がるはずもなく、ハングリー精神が育ちません」(同)

ファンも議論すべき

 ハングリー精神という観点では、日本の球界も3軍制に注目している。今のところ巨人、広島、ソフトバンク、西武の4球団が導入している。

 江本氏も「4球団の中でもソフトバンクが、選手にハングリー精神を植え付けようと努力しているとは思います」と言う。

 江本氏は吉田の現状について、「日本球界の新人育成システムにおける欠陥の象徴」だと指摘する。

「私はドラフト外で東映に入団しましたから、ハングリー精神がなければやっていけませんでした。そして土橋コーチや野村監督との出会いがあり、『毎年2ケタ勝利を10年続ける』という目標を維持して投げ続けました。

 阪神時代の同僚だった小林繁(1952~2010)も、巨人から捨てられたという屈辱をバネに投げ続けていました。

 吉田くんが大投手に成長できる糧や原動力となるハングリー精神を養わせるためにはどうすればいいか、12球団の指導者だけでなく、ファンも一緒に考える必要があると思います」

週刊新潮WEB取材班

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