日ハム「吉田輝星」は“第二の斎藤佑樹”か 新人育成システムに問題ありという声

スポーツ 野球 2020年11月12日掲載

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メジャーの投手育成

 江本氏は「メジャーリーグはこの点、かなりしっかりしています」と言う。そこでメジャーの大投手を調べてみた。

 例えば、メジャー歴代2位の通算4875奪三振を記録したランディ・ジョンソン(57)は、大卒ルーキーとして1985年のドラフトでモントリオール・エクスポズから指名、翌年にA級ウェストパームビーチ・エクスポズでプロ人生をスタートした。

 開幕1軍などとんでもない。彼がメジャーデビューを果たしたのは3年目の88年9月だった。

 しかも、9月の1軍昇格は「セプテンバー・コールアップ」と呼ばれている。優勝争いから脱落したチームは新人をメジャーに呼び、試合に出すことで経験を積ませるのだ。

 そのためランディ・ジョンソンの場合、翌年には再びマイナーリーグに降格という憂き目を見ている。

“精密機械”というあだ名で有名なグレッグ・マダックス(54)も、84年のドラフトで高卒ルーキーとしてシカゴ・カブスから指名されるが、メジャー昇格は86年9月だった。

 こちらもセプテンバー・コールアップだから、実質2シーズンをマイナーリーグで過ごしたという言い方もできるだろう。

興行面の要請

 吉田が初めて1軍で投げたのは、入団1年目の6月だ。対広島東洋カープ戦で5回を4安打1失点で初勝利を飾った。しかし、その後が続かず、昨季は1勝3敗でシーズンを終えた。

 今季も含め、吉田は1軍と2軍を行ったり来たりの状態が続いているのはご存知の通りだ。日ハムファンからも「2軍でじっくり育てろ」との声が少なくないにもかかわらず、なぜ日ハムは吉田を1軍に昇格させたがるのだろうか?

「考えられるのは興行的な要請です。吉田くんが2軍で投げるより、1軍で投げるほうが収益は上がる。チケットやグッズの売上げが見込めます。フロントが栗山監督に要請している可能性はあるでしょう」(同・江本氏)

 江本氏は「結局のところ日ハムに限らず、日本の12球団は全て、新人育成が下手と考えていいと思います」と言う。

「ダルビッシュや大谷クラスになると、才能のレベルが違います。どのチームに入団してもプロとして活躍したでしょうし、メジャーからも注目されたでしょう。にもかかわらず、日ハムが2人をうまく育てたと思われてしまったことが、そもそもの問題でしょう」

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