“大麻ツイート”をやめた理由をお話します……高樹沙耶が石垣島で語ったホンネ

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私は重罪を犯したわけではない

 高樹は己の過ちを、「法を犯したのは事実」という言い回しでしか認めない。そして、こう力説する。

「今も私は“犯罪者”として生涯レッテルを貼られるような大罪を犯したとは、まったく思っていません。日本社会の大麻の受け止め方こそが間違っているんです。大麻は“麻薬”なんかじゃない。私たちが今後、持続可能な暮らしを続けていくうえで、必要不可欠な天然資源なのです。大麻が持つ鎮痛作用は、神経痛に苦しむ老人の痛みを和らげます。癌や難病に苦しむ患者を助け、認知症の予防にも有効な効能を持つと、医学的に認められた植物なのです」

 その証左として彼女が挙げるのが、カナダやアメリカの各州で起きている「合法化」の波だ。

「世界では、医療用大麻だけでなく、嗜好用大麻についても解禁していく流れにあります。それは大麻の依存性はコーヒーと同レベル、適材適所適量ならば体に害悪を与えないことが、医学的な研究によって明らかになったから。18年に嗜好用大麻を解禁したカリフォルニア州では、8年の月日をかけて議論を重ね、2度の住民投票を経て合法化を決めました。そんな世界的な流れのなかで、日本だけが取り残されたままでいる。テレビなどが平然と、大麻は覚せい剤と同じだと“ウソ”の情報を伝え続けているんです」

ストロングゼロのほうがよっぽど「麻薬」なんです

 高樹はそう言うが、日本と欧米では、「麻薬」をめぐる社会事情が大きく異なる。解禁に踏み切った諸外国では、大麻は規制が困難なほど闇市場を通じて生活に浸透していた。合法化には、正規のルートを確立することで、取り締まりにかかるコストをなくし、税収アップを図るという合理的な判断があった。

 また、以前から大麻を「非犯罪化」していたオランダでは、大麻を「ソフトドラッグ」として区分し認可することで、甚大な被害を社会に与える覚せい剤やコカインなどの「ハードドラッグ」の拡散を食い止める狙いがあった。

 一方、日本においては、大麻を解禁しようという差し迫った社会的ニーズはないのではないか。そう疑問をぶつけると、高樹は首を横に振った。

「私はそうはまったく思わない。近年は覚せい剤以外の薬物、大麻、MDMAなどの摘発が確実に増えています。特に大麻は、若者たちの身近な存在として、ここ数年、一気に広まった。けど、彼らは私と同じように“重罪人”として逮捕されてニュースにもなって、生活も仕事も奪われてしまう。もう世界との差は確実に狭まってきているし、そろそろ議論を始めなければならない時期に差し迫っているんです。少なくとも大麻所持の非犯罪化は急ぐべきだと思います」

 さらに、こう続ける。

「そもそも論で言えば、大麻に比べたらアルコールのほうが、よっぽど依存性があるし体を蝕む“麻薬”なんです。でも、日本では『ストロングゼロ』が堂々とコンビニで売られて、医療として有効な大麻が重罪として取り締まられてしまう、“あべこべ”なことが起きているんです」

 そして、こう訴えるのである。

「日本では古来から大麻を、繊維、食、建材として有効利用してきました。今も神社の注連縄(しめなわ)に使われるなど、私たちの祖先が大事にしてきた植物だった。戦後制定された大麻取締法は、GHQに占領されていた時代、アメリカに押し付けられて制定された法律にすぎない。なぜそんな他国から押し付けられた半世紀前の法律を、疑いもせずに従い続けなければならないのでしょうか。押し付けたほうが、そのおかしさに気づき、合法化しているというのに」

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