“大麻ツイート”をやめた理由をお話します……高樹沙耶が石垣島で語ったホンネ

エンタメ 2020年11月3日掲載

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「あの歌を聴いていたとき、もう抗うのはやめようと思ったんです。どこかムキになっていた自分に気づきました。そうね、私が先に忘れようって……」

 虫の音が響きわたるコテージのベンチで、彼女は静かに語った。

“大麻女優”“ジャンキー”などと、日本中から激しいバッシングを浴びながらも、twitterで執拗に「大麻合法化」を叫び続けてきた高樹沙耶(57)。この数年、彼女が過激なツイートをするたび、ネット上に批判が溢れ返るという応酬が続いてきた。だが、高樹は10月上旬に突然、「この場から去ります」と、意味深な言葉を残して発信をやめた。

 いったい何が、彼女の激しい闘争心を鎮火させたのか――。彼女が暮らす石垣島を訪ねた。

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 石垣空港から車で20分。鬱蒼とした森が続く「裏石垣」と呼ばれる山あいに、民宿「虹の豆」はあった。ジャングルのような樹々に挟まれた小径を入っていくと、燦然と輝く芝生が視界に開けてくる。1500坪の広大な敷地内には、集落のように広場を囲んで建つ5棟の南国風のコテージ。入り口で、陽にこんがり焼けた高樹は出迎えてくれた。

「ここのテーマはエコロジーとメルヘンです。30年間、芸能界で働いて貯めたお金の大半をここにつぎ込みました。コテージは、建材にこだわってバリからコンテナで輸入したものです。ジャングルを切り開いた場所なので、夜は真っ暗、夏はハブも出ますよ」

 沢水を利用した施設には、水道も下水道も通っておらず、

「お客さんには湧き水を沸かして飲料にしてもらっています。訪れる人は、自然が好きな人、スピリチュアル系などさまざまですが、実は一番多いのはヨーロッパ人。民泊予約サイト『airbnb(エアビーアンドビー)』から探して来てくれるのです」

 高樹は2011年、千葉にあった自宅を引き払い、石垣島に移り住みこの民宿をオープンした。人気ドラマ「相棒」(テレビ朝日)の女将役を降板するなど、30年間、芸能界で築き上げた生活・地位のすべてを捨てての、南の島への移住だった。

 それから5年後の2016年10月、世間は衝撃的なニュースとともに、彼女の存在を思い返すことになる。大麻取締法違反で逮捕されたのだ。振り返れば、“前兆”はあった。その半年前の参院選で高樹は、「新党改革」から「医療用大麻解禁」を公約に掲げ、出馬したものの落選。世間は逮捕の報を受けて“やはり”と頷き、メディアは連日、堕ちた女優の軌跡を伝え続けた。

「逮捕された場所は、ここから車で10分近く山の中腹に入った場所にある自宅です。朝、突然、大勢の捜査官が押し寄せてきて……。共同生活を送っていた二人の男性とともに逮捕されました。壮絶な経験でしたね。もちろん、法を犯したのは紛れもない事実で、申し訳なく思っています。とはいえ、週刊誌からは、男遍歴まで掘り起こされ、取っ替え引っ替え最後は捨てるひどい女とまで、猛バッシングされて……」

死にたいと心はズタズタに。そんな自分を支えてくれた“彼”がいた

 3カ月の勾留、3カ月の裁判を経て島に戻ると、周囲の見る目は明らかに変わっていたという。

「これまで親切にしてくれていた人たちも離れていき、“島から出ていけ”くらいの方もいました。環境適応障害に陥り、死にたいと思うようになった。普通に過ごしていても、心臓がドキドキして自分で制御できない。生まれて初めて、精神科に通い薬を処方してもらいました。幸い、ズタズタになった自分を親身に励まし支えてくれる人が近くにいたから、今までやってこられました。彼がいなければ、今の私はいなかったと思います」

 その男性は、ともに逮捕された男とは別人だという。

「あの男性とは、それっきりですよ。彼は私が幹事として活動に参加していた『大麻草検証委員会』のリーダーだった人で、私の家にあった大麻は、心臓病を患っていた彼が持っていたものでした。彼が“大麻は使用しても、所持していなければ逮捕されない。万一、警察が来ても、自分が所持していないと言えば絶対に大丈夫”と言うから、安心して家に置くことを許可して、時々私も一緒に吸っていたのです。けれど、結局、私も逮捕・起訴され有罪に。自分勝手かもしれませんが、彼に人生を狂わされたという思いもあって、こちらから縁を断ちました」

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