文在寅が国連で「同盟破棄」を匂わせ 激怒した米政府は「最後通牒」を突きつける

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WHと近いニューシャム大佐

 ニューシャム大佐は「街の評論家」ではありません。国防総省をバックにアジアで活動しています。トランプ(Donald Trump)政権発足後は、ホワイトハウスとも関係の深い専門家と見られています。

 このため日本の関係者の間では、裏切った文在寅政権をトランプ政権がついに殴り始めた、との驚きが広がりました。

 ことに、ニューシャム大佐が「韓国の今年4月の国会議員選挙では不正が行われた可能性がある」と書いたためです。左派政権は不正な手段を用いて権力を手放さない→保守の政権復帰は期待できない→韓国の「離米従中」は不可避である、との文脈での指摘です。

 ただ、文在寅政権に対し「『離米従中』を止めよ。さもなくば、不正選挙を追及するぞ」と脅しているようにも読めます。韓国に対し米国が最後通牒を発した、と見る専門家もいます。

 論文が掲載された『Center for Security Policy』は英語版しかありません。しかし、ネット空間ではニューシャム大佐の記事の韓国語版が出回っています。

 これも「文政権への最後通牒」という見方の補強材料です。内輪もめばかりしている韓国の保守に「しっかりせよ」と喝(かつ)を入れる狙いもあるのかも知れませんが。

総選挙はインチキだった?

――だから論文の見出しが「不正選挙」になっているのですね。

鈴置:「不正選挙」に関するニューシャム大佐の指摘は2つ。まず、選挙結果には統計学的に極めて起こりにくい数字があることです。

 与党「共に民主党」の期日前投票の得票率は投票日のそれと比べ、平均で12%ポイント高い。半面、野党第1党の未来統合党(当時の党名)は同12%ポイント低い。

 数日間でこれほどの差が出るのはおかしい、との疑いです。期日前投票には、操作しやすいと見なされる郵送による投票も含まれます。トランプ大統領が郵便投票を不正の温床と見なすのと通じるところがあります。

 また、首都圏の3地域――ソウル特別市、仁川広域市、京畿道での「共に民主党」対「未来統合党」の得票率がいずれも63対36とまったく同じだったことも疑わしい理由に挙げました。

 これら、統計的な疑惑は韓国メディアがすでに指摘していましたが、ニューシャム大佐は票を計算する機械などが操作されたとの技術的な疑惑にも言及しました。それらにはファーウェイ(華為技術)の部品が使われているとされ、中国が遠隔操作しうる、と言うのです。

 ニューシャム大佐は「この機械が白票も未来統合党への投票も『共に民主党』への投票に数えているビデオが存在する」とまで書きました。以下です。ただ、その画像は示していません。

・A video exists of an ECM counting ballots. Blank ballots are being counted as Democratic Party votes and ballots with United Future Party votes are being counted as votes for the DP.

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