好調「巨人」の陰で…鳴り物入り4人の“ドラ1位投手”はさっぱり活躍しない不安

スポーツ 野球 2020年9月27日掲載

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 今季の読売ジャイアンツは9月15日の東京ドームでの阪神タイガース戦に勝利し、2年連続のセ・リーグの優勝へ早くも優勝マジック38が点灯した。

 9月19日現在でも2位以下に10ゲーム近い差をつける、まさに独走状態となっている。そして、その好調の要因として1つ、投手陣に目を向けるならば、戸郷翔征や中川皓太、大江竜聖といったドラフト下位指名組や、高梨雄平などの今シーズン途中でのトレード加入組の活躍が目立っていることが挙げられるだろう。

 だが、そんなチームの中で1点、気がかりなことがある。今シーズンここまでドラフト1位入団した投手がほぼ、機能していないのだ。入団時にはまぶしいばかりのスポットライトを浴びた彼らはいったいどうしてしまったのだろうか?

 まずは、15年のドラ1右腕・桜井俊貴だ。大学4年時の秋の明治神宮大会の東北福祉大との試合で大会タイ記録となる18奪三振を奪った右の快腕だったが、昨年までの4年間で0勝1敗(16年)、0勝1敗(17年)、一軍登板なし(18年)、そして8勝6敗(19年)で計8勝8敗という5分の星なのである。しかも通算防御率も4・70という微妙な数字だ。

 それでも昨シーズンはリリーフとして開幕1軍入りを果たすと6月からは先発に回って、計29試合の登板で8勝とエース・菅野智之、山口俊に次ぐチーム3位の勝ち星だった。ただ、桜井が単独1位指名選手だったことを考えるとこの成績はもの足りない。

 今シーズンも6月25日の広島東洋カープ戦で1軍初登板初先発を果たして以降、8月2日の広島戦までで6試合で先発しているが、2勝2敗と結果を出せずに2軍落ちしている。

 その後、ファームで調整し、1軍に再昇格後は主に中継ぎで起用されている。8月23日の広島戦から9月19日現在までに9試合に登板し、3ホールドを挙げてはいるが、防御率は5・04と芳しくない。

 当然、“勝ちパターン”の継投陣に入っておらず、まずはここから勝利の方程式の一員に食い込んで、来シーズン先発ローテーションの一角を担うための足掛かりを作りたいところだろう。

2人目は…

 2人目は17年のドラ1・鍬原拓也だ。中央大時代は、東都大学野球リーグで通算44試合に登板して11勝13敗、防御率3・38という数字を残している。

 ドラフト1位で指名されるにはややもの足りない成績だが、150キロを超える直球と落差のあるシンカーを武器に通算投球イニング165回で157奪三振をマークしたことから、“東都のドクターK”との異名を取った。

 入団1年目は、右ヒジの状態不良の影響で、春季キャンプから3軍スタートと出遅れてしまった。5月31日の北海道日本ハムファイターズ戦でようやく1軍公式戦初登板初先発を果たしたが、4者連続を含む7奪三振をマークしながら、5回3失点の黒星デビューとなった。いきなりツキに見放された感じなのである。

 3度目の先発登板でようやくプロ初勝利を挙げたものの、7月中旬に2軍落ちし、さらに左脇腹を痛めたため、3軍でリハビリに専念するハメになってしまった。

 結局プロ1年目は6試合に登板してわずか1勝だったのだ。昨年はシーズン開幕前の一時期、クローザー候補に挙げられるほどだったが、1軍公式戦の初登板は5月下旬と、またも出遅れてしまう。15試合すべてでリリーフ登板し、0勝1敗2ホールドで防御率は4・74という数字を残した。課題だった制球力は改善されたものの、2年連続で結果を残すことが出来なかったのであった。さらに悪いことに鍬原は投球フォームで迷走することとなる。プロ2年間でたった1勝しか挙げていないこともあって、昨年の秋季キャンプで投球フォームを今までのスリークォーターからサイドスローへの変更を試みたのだ。

 ところが制球が安定しなかったため、今年からはスリークォーターとサイドスローの中間に位置する高さから腕を振るオリジナルなフォームへとさらにモデルチェンジすることに。

 すると、開幕直後の6月26日の東京ヤクルトスワローズ戦で今季初登板を果たすと、7月4日の中日ドラゴンズ戦でのリリーフ登板では2回0/3を投げて被安打2、4奪三振、3与四死球、3失点ながらも勝利投手となり、2年ぶりの勝ち星をゲットしている。

 とはいえ、5試合にリリーフ登板しただけで7月中旬に出場選手登録を抹消されている。この間の防御率6・43という数字だけをみれば、仕方ないところだろう。

 さらに2軍戦で登板中、右ヒジの違和感から途中降板に至っている。診断の結果、右ヒジの肘頭の骨折と判明した。どうやら今季はリハビリで終わりそうだ。

 3人目は18年のドラ1左腕・高橋優貴だ。大学時代は北東北大学リーグで八戸学院大のエースとして通算20勝、リーグ新記録となる通算301奪三振をマークする活躍をみせただけに即戦力と言われた。

 その期待に応え、球団としては59年ぶりの快挙をやってのける。プロ1年目の昨シーズン、開幕ローテーション入りを果たすと、4月4日の阪神タイガース戦でプロ初登板初先発し6回を投げ、4安打1失点の快投でデビュー戦を白星で飾ったのだ。この大卒新人による初登板初先発初白星は、60年の青木宥明以来の出来事だったのである。

 ところが結果的に成績は尻すぼみに終わってしまう。18試合に登板し、防御率は3・19とまずまずだったものの、勝敗は5勝7敗と2つ負け越してしまったのだった。それだけに今季は課題とされる制球力に磨きをかけ、2ケタ勝利を目指したいところだったが、3月に左ヒジ痛を発症し戦線を離脱、3軍でリハビリするハメになってしまった。

 現在は2軍戦で投げられるまでに回復しているが、制球難は相変わらずのようで今季、1軍の戦力になれるかどうかは微妙だろう。

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