「戦闘機パイロットのクヒオ大佐」を名乗り、結婚詐欺を繰り返した生粋の日本人

国内 社会 2020年9月22日掲載

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“英国のエリザベス女王は双子で、その妹が自分の母”…

「白」「黒」「赤」「青」という具合に、詐欺の種類は色分けされる。恋愛感情につけこんで金銭を騙し取る手法は「赤詐欺」で、1970年代から自らを米軍所属の「戦闘機パイロットのクヒオ大佐」と称した結婚詐欺師が世間を賑わせた。独特の舞台設定と小道具を武器に、複数の女性を弄んだ男の道化人生――。(※「週刊新潮」2015年8月6日号掲載記事を再編集したものです)

「私は横田基地の大佐で、イギリス情報部から米海軍に派遣されている戦闘機のパイロットです。名前は、ジョナ・クヒオと言います」

 身長160センチと小柄ながら、髪の毛は金色に染め上げられ、鼻は西洋人に似るように整形手術を施し異様なまでに高い。米海軍の制服を着込み、知り合った未婚女性たちを次々と偽りの世界に誘ったという。当時、取材に当たったベテラン記者が振り返る。

「彼は“英国のエリザベス女王は双子で、その妹が自分の母。父親はハワイのカメハメハ大王の末裔です”と近づいて、高級レストランに招待するなどわずか2~3度目のデートで“結婚してくれませんか?”“財産は500億円あって、結婚すれば英国王室から3億円の祝い金が出る”と囁くのです」

「その際、軍服姿で米軍の戦闘機に乗り込む姿を撮影した写真などを見せて相手を信用させ、“軍の秘密任務に就いているが、資金が120万円足りない。必ず返すから、何とか都合をつけてもらえないか”などと、言葉巧みに金を無心するわけです」

 被害に遭った女性は25歳から51歳までと様々で、事件化しているだけでも7人に上る。それぞれ数百万円多い時で4500万円も騙し取られたケースもあり、被害総額は1億円に達すると見られている。

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