小池都知事、科学的知見を無視して営業短縮を要請 飲食店からは怨嗟の声

国内 社会 週刊新潮 2020年9月10日号掲載

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高齢者への人気取り

 安倍総理は8月28日の会見で、コロナ対策と社会経済活動との両立は可能であるとの新機軸を打ち出し、重症化リスクが高い人に重点を置いた対策に転換することを明らかにした。この転換は科学的な知見に基づいて打ち出されたのだが、小池百合子都知事は未だに飲食店への営業時間短縮の要請を行っているのだ。

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 小池知事が国と張り合い、自分を目立たせることの代償が、途方もない大きさであることは、いまさら言うまでもあるまい。新宿区のバーの店主が嘆く。

「うちは夜8時から深夜3時という営業形態で、2軒目、3軒目の店として使ってもらっていましたが、時短要請を受け、いまは夕方5時から10時までです。売り上げは7、8割減り、資金を取り崩しながら経営していますが、それも尽きつつあり、いつまでもつかという状態です。選挙の投票率が高いのは高齢者ですし、知事は高齢者への人気取りしか考えていないのではないでしょうか」

 あるいは、こちらの声はもっと知事に届きやすいだろうか。新宿区市谷の寿司屋、鮨太鼓の店員が言う。

「野村克也監督に贔屓にしてもらい、小池知事にも何度か顔を出していただきました。2月に野村さんが亡くなり、監督を偲ぶお客さんで3月は賑わいましたが、4月から客足がパタリと止まりました。都の休業要請が出されてからは閉め、6月に再開しましたが、密を避けるために席数を減らしています。そのうえ10時閉店だと、お客さまには8時半にはお入りいただく必要があり、売り上げに影響が出ます。月100万円単位で下がって、対前年比で半分くらいでしょうか。いつまで続けられるか、と不安になることもあります」

飲食店をスケープゴートに

 小池知事は、こうした飲食店の塗炭の苦しみを、認識できているのか。自らの支持固めのスケープゴートにして、痛みを感じないのだろうか。国際政治学者の三浦瑠麗さんが言う。

「現状、感染予防策をハイレベルで講じている飲食店が多く、お客を十分に入れられる状況にはありません。そういう店に夜間の営業自粛を求める東京都には、飲食店を生き残らせようという意思があるのでしょうか。私が知っている飲食店店主のほとんどは、政府系金融機関からのセイフティネット融資を受けています。だから、お客が5、6カ月入らなくても息だけはできますが、結局は借金がのしかかります。しかも仕入れのコストやリスクは自分で負う必要がありますから、それなら休業したほうがいい、という判断にもなってしまう。多くは年を越えると厳しい状況になり、店を畳むという判断になるでしょう。東京都は、時短営業要請は延長するけれど、こうした状況は知らない、ということでは困ります」

 そして、こう加えた。

「東京都は連日、感染者数しか見ていない状況に思えます。都民の生活や暮らしにどう責任を負うか、という点で、感染者数を抑えることに関心が傾きすぎているように見えます」

 事実、小池知事が自ら感染者数を発表するせいで、重症者や死者に必ずしも結びつかない数字が独り歩きする。パフォーマンス優先の姿勢が、いちいち経済に打撃を与えるのだ。国に喧嘩を売り、Go To キャンペーンの対象から東京都が外れたことも、日本航空(JAL)や全日空(ANA)、JRなどに、どれだけダメージを与えたことか。さるエコノミストが説く。

「JALやANAといった航空インフラを担う会社は、潰れては困るので、政府は公的資金を注入して救済するでしょう。返済の優先順位の低い永久劣後ローンの引き受けを、実施せざるをえなくなると思います。一方、飲食や観光業は、こうした介入を受けられずに倒産していきます。百貨店を閉めさせたために力尽きたレナウンのような大企業の倒産も、今後起こる可能性があります」

 ちなみに、レナウンは一部ブランドが譲渡されるだけで、本体は清算されそうだが、小池知事はレナウンの悲劇に言及さえしない。

 小池知事の犠牲として忘れてはならないのが、安倍総理である。彼女がお盆の旅行も帰省も自粛するように求めたため、別荘にもゴルフにも行けなくなり、ストレスを解消できず、体調のさらなる悪化を招いてしまった。感染症に詳しい浜松医療センター院長補佐の矢野邦夫医師は、

「ゴルフや別荘滞在なら感染症予防に注意を払うでしょうし、高齢の家族とも会わないでしょうから、行ってもよかったと思う」

 と言うのだが。

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