大阪都構想は吉村人気で苦戦、それでも反対する“浪速の自民市議”の言い分

国内 政治 2020年6月11日掲載

  • ブックマーク

 自民党の総裁選ばかりが話題だが今「大阪残暑の陣」が暑い。否、熱い。

「うがい薬」ではやや味噌をつけたものの、新型コロナウイルス対策の好感度による吉村洋文知事の人気沸騰で「いけいけ」の大阪維新の会。悲願だった大阪都構想の可否を問う「リベンジ住民投票」にこぎつけた。大阪府議会に続き9月3日、大阪市議会も賛成多数で11月1日の住民投票実施を可決したのだ。実現すれば明治22年(1889年)の市制施行以来、親しまれた「大阪市」の名称は消える。維新の松井一郎市長は「将来の大阪をどうするか、住民の皆さんに判断していただきたい。身の引き締まる思い」などと語った。

 政令指定都市の大阪市24区を解体して特別区に分け、「大阪都が日本の副首都としての役割を担う」という都構想。簡単に言えば大阪を東京のようにしようというものだ。

「大阪は府と市の二重行政による府市あわせ(不幸せ)で衰退した」と訴え、08年に知事となった橋下徹氏が「大阪維新の会」を結党時に打ち出し「党是」としてきた。

リベンジへ虎視眈々の維新

 大阪では自民党、立憲民主党、共産党など維新以外はすべて反対していたが、国政選で大阪府の小選挙区で4人を当選させている公明党は橋下氏に「維新の候補を立てるぞ」と再三脅されると「構想には反対だが投票自体は賛成」に転じた。

 15年5月に実施された住民投票は賛成69万4844票、反対70万5585票の僅差で否決され廃案となり、府知事から市長に鞍替えしていた橋下氏は政界を去った。

 だが、維新は虎視眈々とリベンジを狙う。その年11月のW選挙で松井氏が知事、吉村氏が市長に圧勝で当選して勢いを得ると「住民投票は税金の無駄遣い。勝つまでじゃんけんか」などの批判をよそに、敗れた時の特別区案5区を、4区(北区、淀川区、天王寺区、中央区)の特別区にするなど形を少し変えて二度目の住民投票を打ち出してきた。

 昨年の統一地方選で維新は仰天手法の「入れ替え(市長と府知事の)W選」で圧勝。恐れをなした公明は維新との「密約」を経て構想賛成に転じる。

次ページ:地位アップ期待し賛成に回った自民府議

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]