大阪都構想は吉村人気で苦戦、それでも反対する“浪速の自民市議”の言い分

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見せられるか浪花自民の存在意義

「橋下維新」の登場以来、自民党本部は憲法改正や安保法などに賛成してくれる維新と蜜月という「ねじれ構造」があった。総選挙では大阪の自民候補が維新相手に「生きるか死ぬか」の選挙を戦う中、維新に気兼ねした党本部の重鎮は応援にも来なかった。

 さらに「自公連携」下、大阪自民は出馬を見送り公明候補を応援させられた。その公明党が都構想賛成に回ったのだ。北野妙子氏は「私たちがまた公明党と一緒になってしまえば、反対は嘘だったのかと思われてしまう。市議会議員の座をかなぐり捨ててもチャレンジしたい」と不退転の決意を見せる。

 党本部に手足を縛られてきた自民大阪府連(会長・大塚高司衆院議員)は5日、都構想反対を決議した。総裁選で松井氏と「入魂」とみられる菅義偉官房長官が総裁、首相となれば、党本部からの「足かせ」はこれまで以上に強まるが、「浪花の自民」は維新はもちろん、公明とも戦う。

 維新台風に吹き飛ばされ続けた「瀕死の自民大阪」。台風10号クラスの維新を相手に、公明党も敵に回し、足かせだらけで薄れた存在意義を回復せんとする戦いが始まる。

粟野仁雄(あわの・まさお)
ジャーナリスト。1956年、兵庫県生まれ。大阪大学文学部を卒業。2001年まで共同通信記者。著書に「サハリンに残されて」「警察の犯罪」「検察に、殺される」「ルポ 原発難民」など。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年6月11日掲載

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