保釈された「周庭さん」は今後どうなる? “民主の女神”を許さない中国共産党の本音

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中国共産党の弾圧が激しくなる

 もっとも周さん自身は、中国共産党からの“弾圧”を覚悟していた。今年5月29日のTwitterでこうつぶやいている。

《もう3回拘束・逮捕されましたよ。今は保釈中で、出境できないし、週2回報告のために警察署に行かないといけないし、夜間外出禁止令もある。私が本当に行方不明になる時は、香港が完全に中国になった時ですね。》

 その2日前の27日には、警察批判をしている。

《今日の警察は狂っている。デモに参加していない市民を含めて、600人以上の市民が逮捕されました。学校が終わったばかりの、制服を着ている中学生も数人逮捕されました。》

「昨年6月、香港で逃亡犯条例改正に反対する大がかりなデモがありました。その時、民主運動家が行方不明になったり、川で溺れ死んだり、逮捕されて拷問を受けたという話を聞いています。香港警察はそれらを捜査しないので、真相は今も明らかになっていません。香港も中国共産党による弾圧が激しくなっている証拠でしょう」

 とは、先の石氏。中国・成都市出身の同氏は中学時代、近くに住むゴミ拾いの老婆が大根を毛沢東の顔写真が掲載された新聞紙で包んだだけで、反革命分子として処刑されたのを目の当たりにした。

「中国は80年代から90年代には反革命罪があって、毛沢東の悪口を一つ言っただけで死刑になることもありました。建国記念日やメーデーなど、国家の記念日には一度に100人くらいが銃殺されました。鄧小平以降は国家政権転覆罪があり、どんな行為でも逮捕できた。2015年には、レストランで労働運動の議論をしただけで逮捕され、数年間懲役を受けた人もいます」

 同じ15年、人権派弁護士約300人が一斉に拘束されるという「709事件」も起こっている。弁護士は逮捕され、拷問を受けたという。

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