北朝鮮が「金正恩の側室」として「40代の歌手」を認定…その素顔とは?

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「1号宅」=執務を補佐する側室の称号を与えられた

 ここ最近の北朝鮮からは、金正恩の動静がほとんど聞こえてこないなど、異例のことが頻発してきた。そして、今回の「金正恩の愛人として40代の演歌歌手を認定」という情報も驚きをもって迎えられている。金正恩が病床にある、あるいは亡くなっている可能性が否定できない中で、キーパーソンとして急浮上した40代の歌手とは何者なのか? 金正恩の不在で存在感を高めてきた金与正や、正妻の李雪主を含めた「女三銃士」の動向に目が離せないのである。

 北朝鮮の権力構造は、金正恩を中心に3人の「女三銃士」が支えていることは、もはや周知の事実です。夫人の李雪主(リ・ソルジュ)、妹の金与正(キム・ヨジョン)、そして金正恩が寵愛している歌手の玄松月(ヒョン・ソンウォル)の3人がそれです。

 昨年までは夫人の李雪主が序列1位だったのですが、今年の初めくらいから金与正が注目されるようになり、メディアにしばしば登場しています。しかしながら最近、序列が変わったというニュースが伝わってきました。

 北朝鮮の高官は、玄松月を「1号宅」と呼んでいます。もはや玄松月は歌手というよりは、金正恩と始終同伴し、彼を最も至近距離でサポートするキーパーソンである。そのことを「1号宅」という呼び名は物語っています。

 簡単に玄松月の経歴を紹介しておきましょう。生まれ年は定かではありませんが、1978年説が有力です。歌手であり軍人(陸軍大佐)であり、朝鮮労働党中央委員会委員という政治家としての顔もあり、2018年のシンガポールでの米朝首脳会談には金正恩に同行しました。

 彼女がいかにして、「1号宅」と呼ばれるようになったのか、彼女は現在どのような地位にあるのか。

 まずは「1号宅」の意味についてお話します。これは「金正恩夫人」を意味するとのことです。正室は李雪主ですから、玄松月は彼の執務を補佐する側室と捉えて良いでしょう。

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