北朝鮮が「金正恩の側室」として「40代の歌手」を認定…その素顔とは?

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玄松月「1号宅」に対する北朝鮮の側近や幹部、国民の認識

 北朝鮮75年史の中でも、玄松月ほどいわば超高速で独裁者にとり入った例はありません。金正恩があからさまに玄松月を昇進させ、公に常に傍へ置いて執務するようになったのですから、北朝鮮の人々の間で噂にならないはずはありません。

 金正恩の「1号宅」になって以降、彼女に意見する肝が据わった者は北朝鮮にはいなくなりました。彼女は誰よりも金正恩と最も長い時間を共にし、最も親密に、そして真のナンバー2としての役目を果たすでしょう。

 これまでは、玄松月についてあれやこれやと噂しても、金正恩と関係ない話であれば、国家安全保衛部も取り締まることはありませんでした。しかし、金正恩の「1号宅」として公認された現在、玄松月の噂は党の唯一思想体系確立の10大原則(最高規範、憲法に相当)に抵触することになりかねず、彼女のことを話題にするのには細心の注意を払わねばなりません。

 そして玄松月は、金正恩の子女を育てる李雪主とは違い、国家運営、治世関係上、もっとも金正恩の近くにいるので、幹部連中は金正恩に取り入るために、玄松月に接近するでしょう。

 今後は玄松月に認められなければ出世も仕事もできないという、新たな政治風土が作り上げられることになりそうです。

 金正恩をめぐる女三銃士の激しい序列争いは、すでに始まっていると言えます。金正恩がフェイク(影武者)であるならば、その後を襲う存在になるのか、あるいは……。いずれにせよ、女達の駆け引きから目が離せません。

金興光(キム・フンガン)
北朝鮮の平壌金策工業総合大学電子工学卒業後、咸興共産大学で博士号を取得。2003年に韓国へ脱北し、2006年には韓国政府内の統一部北朝鮮離脱住民後援会課長を経て現在、(社)NK知識人連帯の代表を務めながら韓国内で対北専門家としてTV、新聞、YouTubeなどで活躍中。 http://www.youtube.com/c/NKtv3

週刊新潮WEB取材班編集

2020年8月6日掲載

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