アベノマスク8000万枚「今後も配布」は続く…仕掛け人は“炎上動画”の発案者

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全戸向けの配布が完了した2日後の発注

 政府が新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、全戸に配布した布マスク事業。いわゆる「アベノマスク」は、全然届かない、カビなどの混入物が見つかったなどと大いに批判を浴びた。逼迫していたマスクの在庫が安定してきたことや、全戸配布への抗議の意味合いもあってか、国や自治体に送り返したり、民間団体に寄付したり、そのまま廃棄したりというケースが報告されてきた。そんな中、7月下旬から約8000万枚を介護施設などに配る予定であることが判明。仕掛け人として音頭を取ったのは、安倍晋三首相の“炎上動画”の発案官僚だった。

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 この「今後も配布」を最初に報じた朝日新聞(7月27日・電子版)によると、

《全戸向けの配布が完了した2日後の6月22日にも、伊藤忠商事など9業者に計約5800万枚を発注していた》

 配布対象は介護施設や保育所、幼稚園などで、

《厚労省によると、介護施設などには職員と利用者を対象に、保育所や幼稚園、放課後児童クラブなどには職員を対象に、1人あたり7枚ほどが行き渡るように配り続ける計画という》

 その頃ならマスクの価格も安定していたし、何よりアベノマスクへの批判は続いていた。全戸ではなく介護施設などが対象でも、税金を使った配布はさらに政権批判を招くリスクがあったはずだ。そのうえ、《いずれも入札をしないで業者に発注する随意契約だった》というから、やり方も乱暴に映る。

 官邸関係者によると、

「この仕掛け人は経産省出身の佐伯(さいき)耕三首相秘書官。そもそもの『アベノマスク2枚配布』の発案者であり、安倍さんのツイッター動画を主導した人物です」

 マスクを配れば国民の不安はパッと消えますよと首相にささやいて逆に不興を買い、ツイッター動画では、優雅に寛ぐ首相と星野源を並べた結果、「貴族か」「王様感まる出し」などと、大炎上を招いたのだった。

「前回と違って、佐伯さん主導ではなく、マスク班を立ち上げてそこが指揮を取る形になっています。ただ佐伯さんはマスクにこだわっていて、まだまだ税金を使った配布事業を続けていくスタンスだと聞いています」(同・官邸関係者)

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