コロナワクチンのアンジェス創業「阪大教授」、逮捕状の出た「NMB元メンバー夫」との関係

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官報で「旅券返納命令」

 その男性、そして先に触れた「ある人物」とは結城貴氏(仮名)。いまとは違う元の姓もあり、さらに下の名も別にあったのだが、「奈良にある特別な寺で修業したことにしてもらって得度し、貴と変えた」(知人)。戸籍上の名前を変える手続きは簡単ではないが、「僧侶になったというと家庭裁判所の許可が取りやすい」(同)のだという。元の姓名の時に、太陽光発電設備販売会社の経営者として、13年10月、みずほ銀行から2億円の融資金をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕・起訴された過去がある。

 ホスト風のルックスと派手なカネ遣いがメディアでたびたびメディアにも取り上げられていた。事件後「有名になりすぎた」として改姓改名したが、肝心の改心はせず、今度は東日本大震災の復興事業を騙り悪さをする。

 新電力会社の「A電力」は「電力を通じて福島を活性化」をうたい文句に16年10月に設立された。家庭などで電気の購入先を東京電力などからA電力に切り替えると電気代が安くなるうえ、売り上げの一部が福島に還元されるという触れ込みで、福島県楢葉町が出資する「一般社団法人ならはみらい」が株主になったほか、ソニー元会長の出井伸之氏も顧問に就任した。

 アパート管理業者の有力業界団体とタッグを組んで電力会社切り替えを進めるなど一見もっともらしいが、「すべて銀行融資を引き出すための舞台装置」(社会部記者)。受けた融資はすぐに実質経営者である結城氏(当時はさらに別の姓を名乗っていた)の高級外車などに形を変え、木下との結婚直後の18年8月にA電力は破産した。

 警視庁が「業務上横領などの容疑で捜査に着手した」(同)ものの、察知した本人はシンガポールから帰国しなくなってしまい、今年2月には官報において、現在の結城貴の氏名で「旅券返納命令」が通知される事態となった(写真)。

 官報には、昨年10月、東京簡裁から旅券法違反事件の被疑者として逮捕状が出され、今年1月に警察庁から外務大臣に通報があったと記されている。もちろん返納期限の3月9日までにパスポートが返納されることはなかった。このままではシンガポールの滞在ビザが来年早々にも切れるとされるが、最近その結城氏が親しい知人限定で公開しているインスタに興味深い投稿があった(写真)。

「これから年内に5カ国のパスポートを取得する。名誉市民権って売ってるんよね。」

「一つ目のバヌアツは7月取得 ヘンリーパートナーズに頼むとそこの国に行かなくても郵送で名誉市民権とパスポートが送られてくる」

「一国目をバヌアツにした理由は自分だけの島、無人島を取得出来ること。国王への道は遠いけど島王にはまずなれる。ここに森下先生からバイオの技術者をアレンジしてもらってクローンの開発を進める。10年前から言うてるけどとりあえずその為に後進国に投資しまくって自分の領土を拡げる」(写真)。

 バイオの「森下先生」とはもちろん森下竜一教授のことだ。以前からの知り合いかのような口ぶりだが、事情通によれば、結城氏が実質的に支配していたとされる「ポイントマーケット」という会社の大株主には森下教授の名前が登場しているのだ。

 ポイントマーケットは店舗や施設を利用した利用者の滞在時間がポイントに変わるシステムを提供し、と同時に加盟店には購買データと行動データを提供するという事業で、またまたもっともらしい。そして、福島電力の幹部が取締役に在籍するなど結城氏は足跡をしっかり残している。

 森下教授は昨年にポイントマーケットの社長と対談しており、ホームページでも公開されている。
https://www.point-market.co.jp/_assets/pdf/190529-2.pdf

 森下氏は今とまるで異なり、アンチエイジングフェアを主催する日本抗加齢協会の副理事長職をメインに活動していたようだ。

次ページ:森下、結城両氏の回答は?

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