TVドラマコラムで連載10年 吉田潮が振り返る“超主観”部門別ベスト3

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妄想キャスティング

 最後は要望で〆ておこう。

●DNA合致を目指す

 ドラマの中のDNA的不一致が気になって仕方がない。「三浦友和と黒木瞳から工藤阿須加が生まれるわけない!」と考え始めてしまう。観たい家族は、中井貴一とシソンヌじろうの兄弟、安藤サクラと江口のりこの姉妹、柳楽優弥と神尾楓珠の兄弟、宮崎あおいと窪田正孝の姉弟、二階堂ふみと山本舞香の双子、金子ノブアキと上白石萌音の父娘……キリがないので、続きは飲み屋で展開します。

●男ドラマはもう飽きた

 もっと女性の作品をドラマ化してほしい。例えば西加奈子や村田沙耶香の小説。新奇性のある設定だし、映像化しやすいはず。本音を吐く。この10年で池井戸潤ドラマに飽きたんだよ! TBSとNHKのせいでな!

●海外ドラマから学ぶ

 大好きな海外ドラマの日本版を妄想してみる。安藤サクラ主演の「Killing Eve」。満島ひかりの「Fleabag」。「Orange Is the New Black」は比嘉愛未主演、伊藤沙莉と安達祐実もマストで。

 本家を超えられるとは思えないが、姿勢は真似てほしい。要するに、女が女であることに誇りを持てる、居心地のいいドラマが観たい。「イケメン出しときゃいい」という考えは捨て、社会や家族や男性から押さえつけられることなく、のびのびと生きる女性を描いてほしい。

 今後のドラマに期待するのはそこな。あとは「女帝 小池百合子」のドラマ化な。主演は寺島しのぶで頼む。

吉田潮(よしだ・うしお)
テレビ評論家、ライター、イラストレーター。1972年生まれの千葉県人。編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。2010年より「週刊新潮」にて「TV ふうーん録」の連載を開始(※連載中)。主要なテレビ番組はほぼすべて視聴している。

週刊新潮 2020年7月2日号掲載

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