50代で婚活サイトに登録 そこで知った登録女性たちの共通点

石神賢介 57歳からの婚活リアルレポート ライフ 2020年6月20日掲載

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婚歴あり女性の自己紹介文と猛烈に強気の女性の自己紹介文

 さて、どの層にアプローチしようか? 5万人すべてを対象にするわけにはいかない。

 年齢、結婚歴、子どもの有無、趣味、写真掲載の有無など自分の希望条件を入力すると、当てはまる女性をサイトが選んでくれる。

 年齢は40代にした。それより若い層には相手にされないだろう。その一方で、自分勝手な好みだが、同世代よりも上にはなかなかときめかない。57歳の僕より上になると、還暦になってしまう。

 結婚歴にこだわりはない。でも、相手に子どもはいないほうが望ましい。40代離婚歴ありの女性だと、中学生、高校生の子がいる可能性が高い。その子がもし男だったら、けんかになって殴られたらボコボコにされるだろう。今の若い世代は体が大きい。

 写真掲載はやはりマストだと思った。人間は30代を過ぎたら、人柄のよさも悪さも、必ず顔に表れると、僕は思っている。美醜のことを言っているわけではない。男女とも、優しく微笑む人で性悪な人は少ない。きつい目をしていて、優しい人も少ない。笑っていても、性格のきつい人の目は厳しい。写真がないと、そのあたりの判断ができない。

 ただし30代でも50代でも、趣味嗜好が近い人はアプローチすることにした。同じ趣味を持つ人は貴重だ。若いときならば、趣味が違っても一緒に楽しいことを見つければいい。しかし、40代になれば好き嫌いははっきりしている。自我が育ち切っているからだ。そんななかでも趣味嗜好が近い相手は希少価値が高い。

 条件を打ち込むと、パソコンの画面にずらりと女性の顔が並んだ。

 好みのタイプの女性のプロフィールを一人一人確認していく。40代女性中心に閲覧すると、離婚歴のある人が多い。

「離婚暦があります。離婚原因は元夫の度重なる浮気でした(涙)。男性の不倫はトラウマです。バツイチで45歳なので、誠実で、おじいちゃんとおばあちゃんになっても笑って過ごせるかたと出会いたいです」

「5年前に離婚を経験しています。別れた理由はお目にかかったときにきちんとお伝えできます。悲しい出来事でしたが、学習もできたので、つらかった経験をこれからの幸せにつなげたいと思っています」

 誠実そうな自己紹介が多い。一度結婚の経験がある女性は安心できる。その女性と人生をともにしようと決めた男性がいたのだ。

 一方、シングルで、美しく、仕事もきちんとしている女性はむしろ心配だ。なぜ一度も結婚したことがないのだろう? エキセントリックな性格なのだろうか? 遊びまくってきたのだろうか? 美人局ではないだろうか? たくさんの疑問符が付く。

 婚活サイトにはモデルやモデル経験者が少なくない。なぜパートナーを見つけられないのか……不思議に思った。そこで、自己紹介やそこに書かれている希望する男性のタイプを読むと、ほとんどの場合、いまだにシングルであることが理解できる。

「私のプロフィール、よく読んでくださいね。東京でモデルをやっています。出会いはありますが、年々理想が高くなり、決められません。趣味はショッピング、旅行、コスメです。男性は容姿重視。包容力、経済力も求めます。いつもプレゼントをしてくれて、旅行に連れていってくれるお金持ちの男性、メッセージください。離婚歴ある人、子どもがいる人、ケチ、低所得者、根暗、ギャンブル好き、学生、初老、常識のない人、感謝の気持ちのない人はNGです。読書、映画、スポーツ、美術館めぐり、釣りには興味ありません。なお、私への質問は1回に限らせていただきます」

 これは38歳のモデルの女性の自己紹介文だ。強気だ。写真を見ると、顔は整っている。瞳が大きくフランス人みたいだ。髪は金色に輝いている。アプリで加工している様子はない。

 ここまで強気のプロフィール文を書けたら、どんなに気持ちがいいだろう。しかし、当然人柄は期待できない。「常識のない人」はNGらしいが、天に唾を吐くようなものだ。この人にアプローチする男はいないだろう……と思った。

 ところが、僕の予想に反して150人の男性会員が申し込んでいた。どんな男がアプローチするのだ? 会ったらいくらお金を使わされるのか、同じ屋根の下で暮らしたら何を強いられるのか、考えないのだろうか。

 そんなことを考えながら、僕はいよいよ女性たちへのメッセージを書き始めた(続く)。

石神賢介(イシガミ・ケンスケ)
1962(昭和37)年生まれ。大学卒業後、雑誌・書籍の編集者を経てライターになる。人物ルポルタージュからスポーツ、音楽、文学まで幅広いジャンルを手がける。30代のときに一度結婚したが離婚。

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