緊急事態は継続へ…コロナ自粛で増加中「闇営業」酒場から実況中継

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店は3密なんかにはならない

「東京都が給付する『感染拡大防止協力金』はウチみたいな個人店は50万円でしょ。そんなの1カ月の家賃と光熱費で飛んじゃうのに、休業したら私はどうやって生活したらいいのよ。そもそもコロナに感染したくない人は外出すらしないから、店はガラガラで『3密』なんかにはならない。もう飲食店が夜8時で閉店する理由ってないと思うよ。もちろん協力金の給付申請はしたけどね。まぁ、ひっそり営業してるんで、そっとしておいてください」

 コロナショック以前に較べれば客足は5分の1以下。それでも休業するよりはマシなので「闇営業」を続ける店が多いのが実状だ。

 板橋区にある中華料理屋は看板すら消さず、12時近くまで堂々と営業。酒類も閉店時間まで提供している。テーブルが6卓ほど並ぶ店内に、客は3組。みなサワー類を飲みながら料理をつついている。純然たる居酒屋状態だ。

 この店の経営者は中国人。営業自粛しない理由は、外国人も給付金がもらえるかどうか不安があるからだそうだ。ビールを運んできた店員が語る。

「うちの社長は中国人。韓国人、インド人が経営する飲食店も、自粛しないところが多いです。ガイジンだから都の支援にはあまり期待してないんですよ。遅くまで開けてると喜ばれますよ、とくに同業の飲食関係者が自分の店を閉めたあと飲みに来てくれます」

 北区のある駅前の中華料理店は「飲み放題でコロナをぶっ飛ばせ!」と567(コロナ)円で飲み放題を企画。ここまで攻めるとは、ある種すごい。とはいえ8時以降に店内を覗いても、それほど客が入っているわけではない。店員が諦めたように呟いた。

「飲み放題やっても、そんなにお客さんは来ません。夜になると通りを人が歩いてない。見れば分かるでしょ」

 新宿・歌舞伎町にあるスナックのママは、

「給付金の申請もしたし、感染者が出ると皆さんに迷惑がかかるので、5月6日までは休業してます。でも、事前に飲みに来るってメールくれれば、こっそり開けてもいいですよ」
 と、やはり「闇営業」に積極的だ。事実、新宿ゴールデン街を歩くと、閉じられた扉の向こうから酔客の歓声が聞こえる店がチラホラある。

 飲食店の経営者たちはみな、緊急事態宣言の期限、5月6日の後の状況を気にしている。彼らの意見はおよそ一致している。

「緊急事態が延長になったら、もう自粛はしないかもしれない。毎月給付金を出してくれるなら考えるけど、1回だけの給付じゃ支援にならないので」

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