4月から小学校で必修化も… 日本の子供に身につけさせるべきは「英語」ではない

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英語ができないと就職できない?

 グローバル時代のいま、英語くらい話せないと就職できないのでは――? そう心配する親も少なくありません。ですが、多くの企業を対象とした各種調査の結果をみると、まるで別の実態が浮かび上がってきます。

 2016年に経済同友会が実施した企業の採用と教育に関する調査では、中学や高校の教育に期待することとして、「基礎学力の養成」が67・5%と圧倒的な1位で、「一般教養教育」が19・6%で2位、「語学教育」を期待する企業は2・1%でした。大学・大学院教育に期待することは、「専門的な学問教育」が38・7%で1位、「論理的思考能力や問題解決能力の養成」が34・5%で2位、「語学教育」を期待する企業はわずか1・0%でした。

 また、経団連が18年に実施した新卒採用に関する調査では、選考にあたってとくに重視した点を尋ねていますが、「コミュニケーション能力」が82・4%で1位、「主体性」が64・3%で2位、「チャレンジ精神」が48・9%で3位でした。「語学力」を重視した企業は、わずか6・2%に過ぎません。

 松井秀喜選手やイチロー選手が海外で活躍できたのは、彼らの英語力が優れていたからではありません。野球の実力が優れていたからです。英語に関しては、彼らはむしろ簡単な日常会話もできない状態で渡米しました。ビジネスマンでも、海外赴任などで急に英語が必要になった場合、きちんとした基礎学力があれば半年ほどで最低限の英語力は身につくといいます。いざというときは通訳を雇えばいいのです。それよりも、赴任先の経済事情や自社の商品知識に通じているほうがよほど大事でしょう。

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