ゴーンの逆襲が始まる…「日本バッシング」「正当化キャンペーン」に警戒せよ

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ハリウッド映画化でいくら稼ぐか

 火星人に拉致されるとかB級映画ならまだしも、本格的な脱走劇を思いついた脚本家はいなかっただろう。もっともゴーンは逃亡前、ハリウッド関係者と面会し、自身の体験を映像化する計画を練っていた。「エンディングはサプライズ」と嘯いていたともいうが、手記と映画化でいくら稼ぐか。

「アカデミー受賞歴のあるプロデューサーとゴーンさんは12月21日頃にゴーンさんの自宅で面会。映画化やドキュメンタリー製作について話し合ったのです」

 とはジャーナリストのジェイク・アデルスタイン氏。

「一方、ゴーンさんは友人にも映画の構想を相談しています。作品を作ることが裁判に有利に働くのか否かがその動機でした。友人がエンディングについて聞くと、“サプライズ”と。今思えば、脱出劇を念頭に置いた言葉だったのでしょう」

 逃亡後にはネットフリックスとの独占契約が報じられ、現代の巌窟王はショービズ界の話題をさらっている。ジェイク氏がゴーンと昨年7月に面会した際、

「約100日間の拘置所生活で落ちた体力を筋トレや有酸素運動で取り戻そうとしていると話していました。嫌がっていたのは尾行の人間がつきまとうこと。実際、ゴーンさんを追いかけるようにSPさながらのいでたちの男たちが現れ、イヤホンを耳に装着したりするのを目の当たりにしました」

 米国の大ヒットドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で脚本を担ったペアは次回作でネットフリックスと契約し、200億円を手に。ハリウッド関係者は、

「それに及ばずとも、今回の逃亡に必要とされた22億円は手記と映画化でクリアできるでしょう」

 と見る。南北戦争という風と共に消え去る貴族社会を描いた『風と共に去りぬ』。プライベートジェットという風と共に消え去ったのはゴーン以外に何だったのか、問われねばなるまい。

週刊新潮 2020年1月16日号掲載

特集「風と共に『ゴーン』10の謎」より

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